企業として社会課題と向き合うために、地域とつながっていきたい。株式会社CHINTAI・高橋 真
広報室広報室長メディアディビジョン担当部長 高橋真
お部屋探しのリーディングカンパニー「株式会社CHINTAI」は、賃貸物件の情報提供サービスを軸に、一人ひとりがより自分らしい「暮らし」へ近づくためのサポートを行っています。同社は2024年度、自治体や住民と連携して地域社会の課題を解決し、安心・安全なまちづくりを目指す「CHINTAI社会貢献プロジェクト」を開始しました。
今回は株式会社CHINTAIの広報室室長イノベーショングループ担当部長高橋真(たかはしちか)様に、取り組みの内容や社会貢献に関する展望を伺いました。
目次
一人ひとりに寄り添い、その人が願う暮らしが叶うお部屋探しを行う
――本日はどうぞよろしくお願いします。まずは株式会社CHINTAI様についてお聞かせください。
(高橋様)
私たちは、賃貸物件情報をお届けする「CHINTAIネット」の運営をはじめとした、お部屋探しサービスを主に提供しています。
サービスを提供するにあたり、私たちがこだわっているのは、「その人が願う暮らしが叶うお部屋探し」を行うことです。
例えば女性のためのお部屋探しサービス 「Woman.CHINTAI」や、忙しくてじっくりお部屋探しができない方でもLINEの友だち登録をするだけで希望の物件情報が手に入る「CHINTAIエージェント」など、お客様一人ひとりに寄り添う方法をこれまでつくってきました。
さかのぼると、私たち企業の出発点は「賃貸住宅ニュース」という物件情報誌です。当時は賃貸物件の情報は不動産会社にしかなく、得ようとすれば不動産屋へ足を運ぶしかありませんでした。そこで間取り付きの雑誌を発行し、より多くの方に物件情報を届け始めたことが、私たちの原点です。今も一人ひとりに合う物件探しという点を大切にしており、例えば「ベランピングができるワイドバルコニーのお部屋がある」、「商店街が盛えている」環境を紹介するというような、お客様の希望のライフスタイルを実現するための具体的で細やかな提案を強みとしています。
情報誌を発行し事業をスタートさせてから、2025年で50周年を迎えます。そこでリリースしたのが、「CHINTAI安心パック」で、加入者であればどのような理由であっても、3カ月以内の再引っ越し費用を補助するサービスです。
住環境が合わない、転勤が急遽決まったなど、引っ越しにはさまざまなリスクが伴います。そんな転居の不安をカバーしつつ、その人らしい暮らしを叶えるために、私たちはよりよいサービスを考え続けています。
社内と社外の双方でSDGsを実現
――CHINTAI様がSDGsの観点から、取り組んでいることを教えてください。
(高橋様)
2024年から、高校の家庭科の授業の副教材として、お部屋探し学習に役立つ「高校生のためのお部屋探し&一人暮らしガイド」の提供を始めました。
高校卒業後に、進学や就職で一人暮らしを始める方が多い一方、高校生が賃貸借契約や引越しの手順について学ぶ機会は限られています。自分らしい暮らしを実現させるためには、「敷金」「礼金」といった用語の理解や引っ越し費用の相場など、賃貸借契約に関する知識が必須です。
私たちが目指す「自分らしい暮らしが叶う社会をつくる」を実現するために、まずは知識を必要とする方へ提供する。それがSDGsの目標の一つに掲げられている「質の高い教育をみんなに」に通じると考えています。
――社内に向けての取り組みもあるのでしょうか?
(高橋様)
社内では、ジェンダー平等や働きがいの観点からSDGsの取り組みを進めています。
弊社は女性管理職比率が50%を超えており、全国平均約10%という中にあって、非常に高い割合です。
(参照元:株式会社帝国データバンク(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000922.000043465.html))
また、男性育休取得の促進制度も整えていて、たとえば『ファミリーエクスペリエンス制度』は、パートナーが弊社の社員でなくとも、夫が育休を取得した場合は会社から給与補助を支給します。こういった制度を充実させることで、安心して子育てでき、働きがいを持てる環境づくりに努めています。
社会課題解決のために、企業として地域や自治体と関わっていきたい
――2024年7月から開始した、自治体や地域住民と連携する「CHINTAI社会貢献プロジェクト」について詳しくお聞かせください。
(高橋様)
私たちの事業は「住む・暮らす」を軸に、お客様や物件のオーナー様をはじめ、地域のさまざまな方々とつながっています。住環境の安全性をはじめとした、地域社会の課題に対して、企業として何かできないかと取り組んでいるのが、「CHINTAI社会貢献プロジェクト」です。
この取り組みは大きく「道路不具合調査報告」「図書館・児童館でのオリジナルイベント」「動物園・水族館へのサポート」「地域の清掃活動」の4つに分かれています。
例えば、そのうちの1つ「道路不具合調査報告」では、地域住民の方から「縁石が壊れている」「道路に穴が空いていたり、路面表示が消えたりしていて危ない」などの声を私たちが集めて、各自治体に提供しています。これまで調査できたエリアは 12 都道府県の 59 エリアで、累計4000 件以上の情報が集まりました。
道路の整備はまちの安全性に直結する問題です。お客様がそこに住んで自分らしく暮らしていくための不安を解消する一つの方法として、この取り組みをスタートさせました。
――プロジェクトを進めるうえで、印象的な出来事はありましたか?
(高橋様)
「図書館・児童館でのオリジナルイベント」は、地域住民の好反応を得られ、特にやりがいを感じられる取り組みとなりました。
これは声優やパフォーマーを招き、図書館や児童館にて地域の子どもに向けて絵本の読み聞かせや声優体験ができるイベントでした。先ほどお話しした道路整備とは違い、地域というコミュニティに関わり、盛り上がりに直にふれ、私たちが地域とのつながりをより強く感じる機会になりました。
――CHINTAI様と図書館。一見意外な組み合わせにも感じられます。
(高橋様)
「暮らし」をつくるものは、物件だけでなく、まちの住環境が含まれると考えています。地域の交流スペースとなる図書館を盛り上げることで、住環境の改善にアプローチできるのではないかと、今年度の取り組みの一つとなりました。
図書館は私たちにとって初めての領域でしたが、自治体の方とやり取りし、イベントで地域の方々と交流する機会は、私たちにとって刺激を得られる経験でした。
――自治体や物件オーナー様など、さまざまな方々と連携をとることに難しさはなかったのでしょうか?
(高橋様)
今回は、オーナー様と業務でつながっている営業部の社員もプロジェクトに参加することで、取り組みを実現できました。
普段と違う業務でも、「地域を良くしていく」という思いを一つの柱として、さまざまな社員がプロジェクトに尽力してくれました。営業部をはじめ、より多くの社員と一緒にこのプロジェクトを進めたことは、とても有意義だったと思っています。
地域の架け橋となり、社会を良くしていきたい
――CHINTAI様にとってSDGsとは?
(高橋様)
私たちは、若い世代の夢をサポートする協賛活動をこれまで長く続けてきました。2024年で、東京六大学野球への協賛は18年目、ウクライナ国立バレエを運営している株式会社光藍社への協賛は12年目を迎えます。
SDGsが社会に広まり、その目標に沿った取り組みにも着手していますが、元々長らく「社会貢献」に関心が高く、企業として取り組んできました。
これからも、一人ひとりが自分らしく安心して暮らせる社会をつくっていきたいと考えています。今年度の挑戦で蓄積した経験を生かしながら、今後社会貢献プロジェクトを行うエリアを徐々に拡大していく予定です。物件オーナー様やお客様など、私たちとつながる方々と地域の架け橋となり、社会を良くしていく取り組みを続けていきたいと思います。
――これからのCHINTAI様のますますのご活躍に期待しています!ありがとうございました!
この記事を書いた人
SDGsコンパス編集部
SDGsコンパスは、SDGsに踏み出したい企業や自治体様の「はじめの一歩」を後押しするメディアです。SDGsの目標やSDGsの導入方法などのお役立ち情報を発信していきます。