SDGsとは
SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月に国連サミットにて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を実現するために定められた世界共通の目標で、2030年12月31日を達成期限としています。SDGsの目的は、貧困を終わらせ、地球環境を守り、すべての人々が平和と豊かさを享受できる世界を実現することです。そのためには、経済成長・社会的包摂(※)・環境保護という3つの要素を調和させる必要があります。SDGsは17の目標と169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を基本理念としています。
※社会的包摂……弱い立場の人々も含め、皆が社会に参加し、それぞれが潜在的な能力をできる限り発揮できる環境を整えること
SDGsにおける17の目標
貧困を
なくそう
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
飢餓を
ゼロに
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
全ての人に
健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
質の高い教育を
みんなに
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
ジェンダー平等
を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
安全な水と
トイレを
世界中に
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
エネルギーを
みんなにそして
クリーンに
すべての人々の安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
働きがいも
経済成長も
包摂的かつ持続可能な経済成長及び雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する
産業の技術革新
の基盤を
つくろう
強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進および技術革新の推進を図る
人や国の不平等
をなくそう
各国内および各国間の不平等を是正する
住み続けられる
まちづくりを
包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市および人間居住を実現する
つくる責任
つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保する
気候変動に
具体的な対策を
気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる
海の豊かさを
守ろう
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
陸の豊かさも
守ろう
持続可能な陸域生態系を保護し、砂漠化・土地劣化及び生物多様性の損失を阻止する
平和と公正を
すべての人に
平和で包摂的な社会を促進し、効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
パートナー
シップで目標を
達成しよう
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
MDGs
MDGs(ミレニアム開発目標)は、開発途上国における貧困・教育・健康などに関する問題を解決することを目的とした世界的な開発目標で、2000年9月にアメリカのニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットで国際社会が採択した「国連ミレニアム宣言」を基に8つの目標にまとめられています。2015年の達成期限までに国際社会が取り組み、さまざまな成果をあげました。
MDGsは人々の生活環境の改善に大きく貢献した一方で、国や地域によって目標の達成に差があり、MDGsの恩恵を受けられていない人々がいることが新たな課題として明らかになりました。そのためSDGsでは、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を基本理念としています。
- 目標1:極度の貧困と飢餓の撲滅
- 目標2:初等教育の完全普及の達成
- 目標3:ジェンダー平等促進と女性の地位向上
- 目標4:乳幼児死亡率の削減
- 目標5:妊産婦の健康の改善
- 目標6:HIV/エイズ、マラリア、その他の
疾病の蔓延の防止 - 目標7:環境の持続可能性確保
- 目標8:開発のためのグローバルな
パートナーシップの推進
SDGsの分類方法
5つの「P」 -
People
-
Planet
-
Prosperity
-
Peace
-
Partnership
SDGsを以下の5つに分類する考え方です。
- People
(人間)貧困や飢餓を終わらせ、健康、教育、人権の尊重など、すべての人が衛生的な環境下で平等に人間らしく生きるための目標です。 - Planet
(地球)未来にわたって地球で暮らすことを目的とし、持続可能な消費・生産、天然資源の管理、気候変動への対応など、地球環境を守るための目標です。 - Prosperity
(豊かさ)経済・社会・技術を自然と調和させながら発展させ、誰もが豊かで充実した生活を送れるようにするための目標です。 - Peace
(平和)世界中のあらゆる恐怖と暴力をなくし、平和的で公正な社会を育んでいくための目標です。 - Partnership
(パートナーシップ)主に開発途上国が抱える難しい問題を、あらゆる人の資金・貿易・技術と能力の面でパートナーシップを強化することで解決していくための目標です。
もっとくわしく SDGsウェディングケーキモデル
-
People
-
Planet
-
Prosperity
-
Peace
-
Partnership
(人間)
(地球)
(豊かさ)
(平和)
(パートナーシップ)
出展:credit: Azote Images for Stockholm Resilience Centre, Stockholm University
SDGsウェディングケーキモデルは、持続可能な開発の3側面である経済・社会・環境についてのSDGsの考え方を下層から順に、「(生物圏Biosphere)」、「社会圏(Society)」、「経済圏(Economy)」の3層構造に図式化したモデルです。ストックホルムにあるレジリエンス研究所の所長ヨハン・ロックストローム博士によって提唱されました。
ウェディングケーキモデルは下層2段がドーナツ型で、環境なくして社会は成り立たず、社会なくして経済の発展はないことが表現されています。また、あらゆる組織・団体、個人などが協力してパートナーシップを組むことが不可欠であることもわかります。
日本におけるSDGsの達成度
2023年6月21日、SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)は、
国ごとのSDGsの達成度を示すSustainable Development Report 2023を発表しました。
緑……目標達成 黄……課題が残っている オレンジ……重要な課題が残っている
赤……主要な課題が残っている グレー……情報なし
出展:Sustainable Development Report 2023
こちらの表のうち、特に深刻な課題が赤色で表現されています。
「5:ジェンダー平等を実現しよう」
「13: 気候変動に具体的な対策を」
「14:海の豊かさを守ろう」
「15:陸の豊かさも守ろう」
日本におけるSDGsの優先課題
優先すべき課題は国によってさまざまです。日本政府はSDGsに関して8つの優先課題を定めています。8つの優先課題を「5つのP」に分類すると以下のようになります。
8つの優先課題
People 人間 |
|
---|---|
Planet 地球 |
|
Proseperity 豊かさ |
|
Peace 平和 |
|
Partnership パートナー シップ |
|
SDGsアクションプラン
SDGsアクションプランは、SDGsを推進するために日本政府が取りまとめた具体的な施策です。アクションプランは毎年更新されています。 2023年のアクションプランはSDGs推進本部のPDF資料で確認することができます。
SDGsアクションプラン2023|SDGs推進本部
SDGコンパスとは
SDGコンパスは、「企業のためのSDGs手引書」のようなもので、企業がSDGsに取り組む際に活用されているツールです。正式名称は「SDG Compass -SDGsの企業行動指針-」で、2016年3月にGRI(Global Reporting Initiative:グローバル・レポーティング・イニシアチブ)、UNGC(United Nations Global Compact:国連グローバル・コンパクト)、WBCSD(World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議)の3団体によって共同で作成されました。
SDGコンパスでは、企業がSDGsに取り組む過程について、5つのステップに分けて解説されています。
ESG投資
ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を考慮した投資方法です。投資家が投資先を選ぶ際の基準の1つとされています。日本においても、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2017年に1兆円規模のESG投資を開始するなど、ESG投資が広がりを見せています。ESG投資には以下の7つの手法があります。
ネガティブ・スクリーニング | ESGの観点に合わない要素を有する投資先を除外 |
---|---|
ESGインテグレーション | 財務状況などの一般的な指標にESG要因を組み入れて投資先を判断 |
エンゲージメント・議決権行使 | ESGに関する課題について、株主としての議決権を行使・企業と対話して改善を促進 |
国際規範スクリーニング | 国際的な規範に沿って、気候変動や人権などの項目で違反した投資先を除外 |
ポジティブ・スクリーニング | ESGに関する評価や数値が高い企業に投資 |
サステナブルテーマ投資 | 環境や社会に関する特定のテーマに沿って投資 |
インパクト投資 | 環境や社会にインパクトを与える事業を行う企業に投資 |
PRI (責任投資原則)
PRI(責任投資原則)とは、持続可能な社会を実現するために必要な投資に対する6つの行動原則です。PRI(責任投資原則)は2006年4月に国際連合によって公表されました。署名した機関投資家は環境・社会・ガバナンスの3つの要因に対して責任のある投資行動を宣言することを意味し、意思決定のプロセスにESGを反映させる必要があります。世界では5,383社、日本では123社が署名をしています。(2023年4月時点)
もっとくわしくCSR(企業の社会的責任)
CSRとは、Corporate(企業) Social(社会の) Responsibility(責任)の頭文字を取り、企業の社会的責任を意味します。企業は社会を構成する一員であり、自社の利益を追求するだけでなく、地域社会や環境に配慮した行動を取るという考え方です。企業には自社の活動が与える負の影響を最小限に抑えることが求められます。
もっとくわしくSociety5.0
Society5.0は、第5期科学技術基本計画のなかで提唱された、日本が目指すべき未来社会姿です。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く「デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会」のことを指し、「創造社会」とも呼ばれます。 Society5.0が具体的にもたらすものとして、「課題解決・価値創造」、「多様性」、「分散」、「強靭」、「持続可能性・自然共生」が挙げられています。
出展:Society 5.0|首相官邸ホームページ
株式会社IKUSAのSDGsイベント支援
企業がSDGsに取り組むには、まず経営者やSDGs担当者がSDGsについて深く理解したうえで取り組む課題を決定し、具体的な目標を設定します。その後、社員の理解と協力を得て、企業全体として取り組んでいくことが重要ですが、社員の自分ごと化・積極的な協力に課題感を持つ企業が少なくありません。
私たち株式会社IKUSAは、社内イベント・地域イベントなどに関する「あそび」を軸にした90種類以上のサービスを開発し、累計3000を超える企業や自治体などに提供しています。SDGsコンパスは、企業がSDGsに取り組むための「はじめの一歩」を、体験型のイベントを通じて支援するプロジェクトです。