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ボディシェイミングとは?言葉の意味、自分を好きになるためにできること

「ボディシェイミング」という言葉を聞いたことはありますか? 日本ではまだあまり認知されていない言葉かもしれませんが、実は日本は、このボディシェイミングに溢れているのです。

本記事では、ボディシェイミングの意味や具体例、反対の概念であるボディポジティブとボディニュートラルとは何か、外見に関する海外スターのSNSの投稿や発言、ダイバーシティ化を進める企業の事例、自分自身を好きになるためにできることを紹介します。

 

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ボディシェイミングとは

ボディシェイミングとは、他人の外見を馬鹿にしたり批判したり、相手から求められていないのに意見したりすることをいいます「身体」を意味するボディ(body)と、「恥ずかしいことだと思い知らせる」「厳しく批判する」といった意味を持つシェイミング(shaming)という2つの英単語を組み合わせた言葉です。

すべての人は、自己の意見を持ち、それを自由に伝えることができます。これは、世界人権宣言の第19条に定められている権利です。

参考:世界人権宣言70周年 – 法務省(PDF)

しかし、相手が自身の外見への意見をこちらに求めていない場合は、相手を傷つけるだけです。ちょっとした冗談や「いじり」も、ほとんどがボディシェイミングに当てはまると考えられます。

また、こちらは褒め言葉のつもりでも、相手がそう受け取るとは限りません。抱えているコンプレックスや美の基準は人それぞれですので、他人の外見については発言しないほうが無難でしょう。特にアメリカなどでは、近年は「他人の外見について意見するのはNG」という風潮が強くなっています。

ボディシェイミングの例

では、具体的にどういった言動がボディシェイミングに当てはまるのでしょうか。いくつか例を挙げてみます。

  • 冗談のつもりで「また太った?」「瘦せすぎだよ~、ご飯食べてる?」などという。
  • テレビでお笑い芸人が「ブス」「ハゲ」など外見をいじられて笑われている。
  • 有名人のSNSに「瘦せていたころのほうが好みだった」などとコメントを投稿する。
  • 「〇〇ちゃんは背が低くて可愛いね」などの褒め言葉のつもりの発言(相手は身長が低いことをコンプレックスに感じているかもしれない)。

相手を馬鹿にしたり批判したりするつもりがなくても、無意識にこのような言動をとってしまっていることもありますので、注意しましょう。

ルッキズムとは

外見に対する差別的な言動は、「ルッキズム」とも呼ばれていますLooks(外見)+ ism(主義)を合わせた造語で、個人的な偏った美の基準で相手を評価することをいいます。たとえば、以下のような言動がルッキズムに当てはまります。

  • 「あの人は太っているから、きっと怠けた生活を送っているに違いない。」
  • 「君の奥さんは美人でうらやましい。優しくて、家事も完璧なんでしょ?」

病気や薬の副作用で体重が増えたり、身体がむくんでしまったりすることもあります。また、見た目と性格・能力は全く関係ありません。

私たちは視覚から多くの情報を受け取っており、誰の中にも無意識の偏見が存在しています。「自分の中にも偏見がある」ということを自覚し、見た目で相手を決めつけないよう意識することが大切です。

ボディシェイミングがなぜいけないのか

なぜボディシェイミングがいけないのかというと、相手が傷つき、自分自身のことを嫌いになってしまう可能性があるからです。すると、自分自身に対してボディシェイミングをしたり、無理なダイエットにより体調を崩したりすることもあるかもしれません。

こちらは単なる「いじり」のつもりでも、相手は場の空気を読んで無理して笑っているだけの可能性もあります。実際、「みんなが盛り上がっているから“やめて”といえない」と悩んでいる人が多いようです。相手との関係にもよりますが、外見のこと以外でも大丈夫な「いじり」はないと考えるべきでしょう。

海外では「褒め言葉」にならないないケースも

日本で多くの人が「褒め言葉」として使っているものでも、海外ではネガティブな意味に捉えられることがあるので、注意が必要です。具体例をいくつか挙げてみましょう。

  • 「顔が小さい」 → 「脳みそが小さい=頭が悪い」と捉えられる場合があります。
  • 「肌が白い」 → 人種差別だと捉えられる場合があります。
  • 「痩せた」 → 「前は太っていた」という意味で捉えられる場合があります。

また、日本人同士であっても、美の基準は人それぞれ違います。健康上の理由で皮膚の一部が白くなったり、体重が増減したりすることもあるので、日本人同士であってもこのような発言は控えたほうが良いでしょう。

 

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世界で広がるボディポジティブとボディニュートラル

現在世界中で広がっている「ボディポジティブ」と「ボディニュートラル」は、ボディシェイミングの反対に位置する概念として誕生したものです。それぞれの意味を解説します。

ボディポジティブ

ボディポジティブとは、「痩せている=美しい」「背が高い=かっこいい」というような、これまでの偏った美の基準を捨てて、ありのままの自分の身体を愛そうという考え方です。ボディ・ボジティビティともいわれます。

近年、アメリカの女性たちを中心に、SNSで「#bopo」(body positiveの略)をつけて、ポジティブなメッセージを発信する「ボディポジティブ運動」も広がっています。

しかし、ボディポジティブの広まりとともに、「ありのままの自分の身体を愛するべきなのに、好きになれない」と苦しむ人が増加しました。また、「コンプレックスも隠すべきではない」「運動や食事制限をするのはボディポジティブに反する」という偏った考えを持つ人も出てきたのです。そこで新たに生まれたのが、ボディニュートラルという概念です。

ボディニュートラル

ボディニュートラルとは、自分の身体に対するポジティブな感情もネガティブな感情もそのまま受け入れようという考え方です。好き・嫌いをはっきりさせなくて良いということで、「中立的」「中間的」の意味を持つニュートラルという言葉が使われています。

また、ボディポジティブは自身の「外見」に着目することが多いですが、ボディニュートラルは「身体が持つ働き」にも着目しています。呼吸ができる、手足が動かせる、毎日ふかふかの布団で眠れる、おいしい食事が食べられるなど、自分の身体ができることに感謝をして、無理せず受け入れようというものが、ボディニュートラルです。

“ありのまま”を発信する海外スターたち

これまでの偏った美の基準を捨て、自分の“ありのまま”を受け入れようという動きは、海外スターの間にも広がっています。ここからは、海外スターたちが発信した素敵なメッセージを紹介します。

ビリー・アイリッシュ

アメリカのシンガーソングライター、ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)は、20205月、自身のSNSで「Not My Responsibility」(私の責任ではない)という動画を配信しました。体型や服装を批判する人たちに対する、抗議の動画です。

オーバーサイズの服を着てボディラインを隠すことが多いビリーですが、この動画では、そんな彼女が一枚一枚服を脱ぎ、最後は下着姿になって、濁った水の中へ沈んでいきます。その映像とともに、自身の外見へ意見する人に対して、「ありのままの私はあなたが望むものではなかった?」「私のことを知らないのになぜ批判を続けるの?」などと、パワフルなメッセージを送っています。

この動画は瞬く間に世界中に広がり、大きな反響を呼びました。

レディー・ガガ

アメリカのシンガーソングライター、レディー・ガガ(Lady Gaga)は、2017年のスーパーボウルハーフタイムショーに出演しました。過去最高と称されるほどの圧巻のステージを披露したガガですが、一部の視聴者から「お腹が出ている」などの批判の声が上がったのです。ガガは、自身のSNSでこれに反論。「私は自分の身体を誇りに思っている、あなたもそう思ってほしい」というメッセージを投稿しました。

これを受け、ガガのファン達も、SNSでボディーシェイマーに反論。ありのままでショーを行ったガガを称賛する声や、体型批判をする人が信じられないといった声が多く投稿されました。

※スーパーボウルハーフタイムショーとは
プロアメリカンフットボールリーグNFLの優勝決定戦(スーパーボウル)のハーフタイムに行われるショーのことです。人気アーティストによるミニコンサートが行われることが定番になっています。

ジェイソン・ステイサム

外見に対して意見されるのは女性ばかりではありません。男性に多い悩みの一つが、加齢による薄毛です。テレビなどでも薄毛が笑いのネタにされている場面をよく見かけますが、近年は「髪ハラ」(髪ハラスメント)という言葉も出てくるほど、薄毛を指摘されて嫌な気持ちになった経験がある人は多いのです。

イギリスの俳優、ジェイソン・ステイサム(Jason Statham)は、自身が薄毛であることに対してこんな発言をしたことがあります。

「俺は自分がハゲだってことを神に感謝している」「そもそもこの俺に髪の毛なんか似合わない」

海外でも、以前は「薄毛=恥ずかしい」と感じる人が多かったようですが、現在は男性の魅力の一つとして捉えられるようになってきているようです。ジェイソン・ステイサムは、人気誌『Men’s Fitness』などが2014年に行った調査で、「イギリスの最も男らしい男性」にも選ばれています。

ダイバーシティ化を進める企業の事例

「痩せている=美しい」のような、偏った美の基準から脱却するための取り組みは、企業の間にも広がっています。ここからは、ボディイメージの多様化を目指す企業の取り組み事例を3つ紹介します。

1.Mattel

世界大手の玩具メーカーであるアメリカのMattel(マテル)社は、2016年に新たなバービー人形を発表しました。ファッショニスタ(Fashionista)シリーズでは、ドールのスタイルや肌・瞳の色などを組み合わせて、好きなドールを選ぶことができます。体系は、従来のスタイル、トール(長身)、カービー(曲線美)、プチ(小柄)の4種類となっています。

また、20233月には車いすに乗ったバービー人形も登場しました。Mattel社は、玩具を通じて美の多様性や個性について考える機会を提供し続けています。

公式サイト:【公式サイト】バービー|Barbie 世界で人気のファッションドール

2.PEACH JOHN

日本の下着ブランド「PEACH JOHN(ピーチ・ジョン)」は、SNSで一般女性の中からモデルを募集し、オーディションを開催しました。現在、このオーディションに合格した年齢・体型・職業もさまざまな女性たちが、等身大モデルとして活躍しています。

PEACH JOHN は、2019年夏に発売した商品「スマートブラ」でも、さまざまな体型の人をモデルに起用しています。これが好評だったため、一般女性の中から等身大のモデルを募集するというプロジェクトが生まれたそうです。

公式サイト:PEACH JOHNリアルサイズモデル|≪公式≫下着通販 PEACH JOHN(ピーチ・ジョン)WEBストア

3.貝印株式会社

総合刃物メーカーの貝印株式会社が20208月に公開した広告には、脇毛を処理していない女性(バーチャルヒューマン)がモデルに起用されています。

女性の体毛は「ムダ毛」などと呼ばれてきましたが、近年、これに意を唱える女性が増えているのです。貝印株式会社が実施した「剃毛・脱毛についての意識調査」では、「気分によって毛を剃っても剃らなくても良い」という回答が80.5%を占めました。

参考:剃毛・脱毛に関する価値観の多様性について、バーチャルヒューマンMEME 『ムダかどうかは、自分で決める。』グラフィック公開 | 新着情報 | 貝印株式会社

また、貝印株式会社は、体毛に悩み始める思春期の子どもたち向けの“毛”に関する説明書「FIRST SHAVE BOOK™」(ファーストシェイプブック)も開発しました。カミソリの正しい使い方や、毛の知識がまとめられた本です。PDF版は、公式サイトからダウンロードすることができます。

公式サイト:FIRST SHAVE BOOK︰ファーストシェイブブック|貝印

自分の身体を好きになるために

ボディポジティブやボディニュートラルを実践するには、一体何から始めれば良いのでしょうか。最後に、日ごろから心がけたい2つのことを紹介します。

1.自分の感情を受け入れる

まずは、無理に自分の身体を好きになろうとせず、ポジティブな感情もネガティブな感情も、そのまま「自分だ」と受け入れてみましょう。いつもポジティブでいられることは良いことですが、ネガティブな感情を「悪いもの」と位置付けてしまうと、そういった感情を抱いただけで自己嫌悪に陥ってしまいます。悲しみや怒りといった感情が湧いてくるのは人として自然なことなので、否定せずに受け入れ、自分の中で消化することが大切です。

そして、外見だけでなく、身体の持つ働きにも目を向けてみてください健康を維持できている、毎日おいしいご飯を食べられるなど、身体ができることに感謝することが、ボディニュートラルにつながります

また、「他人から見てどうなのか」ではなく、自分の感情に正直になることも大切です。食べたいから食べる、遊びたいから遊ぶ、気持ちが乗らないから今日は運動をしないなど、誰かにいわれたからではなく、自分がどうしたいかで行動を選択します。自分の心地よさを重視することも、ボディニュートラルを実践する方法の一つです。

2.ワークアウトを取り入れる

ワークアウトとは、理想の自分に近づくために取り組む運動のことをいいます。たとえば、強い身体をつくるためにトレーニングをしたり、筋トレをしたりすることです

「ありのままの自分を受け入れたのに違う自分を目指すの?」「ボディポジティブやボディニュートラルに反するのでは?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、自分を愛し続ける、または認め続けるためにも、適度な運動やケアは必要です。

また、人の感情には波があるため、「一度はありのままの自分を受け入れたけれど、やっぱり嫌い」と、ネガティブな感情を抱くこともあるかもしれません。ワークアウトに取り組むことで、自律神経が活性化されてホルモンバランスが整う、セロトニンの分泌量が増え幸せを感じられるようになる、メンタルも強化できるといったメリットがあるので、精神的にも安定した状態を保ちやすくもなるでしょう。

 

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まとめ

他人の外見を馬鹿にしたり批判したりする「ボディシェイミング」について解説しました。悪気はなくても、無意識のうちにボディシェイミングをしている可能性は誰にでもあります。こちらは「いじり」のつもりでも、相手は無理に笑って周りに合わせているだけで、実際は深く傷ついているかもしれません。他人の外見については、相手から意見を求められた場合以外は、発言するべきではないでしょう。

日本では、テレビなどでも外見が笑いのネタになっている場面をよく見かけますが、海外では「他人の外見について意見するのはNG」という風潮が強まっています。また、ボディポジティブやボディニュートラルのように、“ありのまま”を受け入れようというムーブメントも広がっています多様性が認められる社会を実現するために、日本も価値観をアップデートしていかなければなりません

 

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あらたこまち

この記事を書いた人

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。
不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。
猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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