環境

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の概要と取り組みをわかりやすく解説

SDGsについて興味があるけど具体的に何をすればいいの?」といった疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。

SDGsには17の目標があり、まずはそれぞれの目標について理解を深め、「自分にできることは何か?」「自社の事業と関連が深そうな目標は何か?」を見定めることが大切です。

全部で17あるSDGsの目標のうち13・気候変動に具体的な対策を」は、主に「気候変動」へ目を向けた目標です。

 

SDGsのはじめの一歩を実現する「SDGsの社内浸透方法」とは?

⇒解説資料のダウンロードはこちらから

 

SDGsイベント・研修向け体験型アクティビティの資料はこちら/

SDGsイベントの資料をダウンロードする

 

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」とは

地球の温暖化が叫ばれるようになり、気温の上昇など気候変動の影響が見られるようになっていますが、まだまだ深刻化することが予測されます。気候変動の原因となる二酸化炭素の排出量はこれまでで最も高い水準となっているのが事実です。

気候変動は、国や地域を問わずあらゆる場所に影響を与え、人々の生活に影響が生じています。その結果、人々に対する支援やコミュニティの維持・形成などに大規模なコストがかかってしまう事態となってしまうのです。

地球温暖化は深刻な問題であり、猶予のない地球規模の課題です。このままではますます異常気象を招くと考えられていて、いろいろな国際会議でも問題視されています。

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策をとる

現在見られている気候変動は、海面上昇や、異常気象、気象パターンの変化などが挙げられます。こうした気候変動の影響を真っ先に受けるのは「貧困者」や「社会的に弱い立場の人」です。

とくに、開発途上国の人々の暮らす地域では場合、インフラなどが十分に整備されていない傾向にあります。こうした地域では気候変動によって混乱が生じたり、必要な情報を入手できなかったりして、深刻な事態になることが考えられます。

そして、気候変動は世界規模で発生している問題であり、一部の国だけで取り組みを実施しても十分な効果が期待できません。国際レベルで気候変動に対する解決策を調整し、開発途上国には低炭素経済(※)をすすめられるように支援するために国々が協力していく必要があります。

  • ※低炭素経済……石油などの高炭素エネルギーの消費を減らした経済社会のこと

数字で見る「気候変動」の現状

1880年から2012年にかけて、地球の平均気温は摂氏0.85度上昇しています。一見、深刻な問題には見えないかもしれませんが、地球の平均気温がおおよそ1度上昇するたびに、穀物の収穫は5%低下するとされています。実際、1981年から2002年の収穫量を見てみると、トウモロコシや小麦などの作物の収穫量は大幅に減少していました。

また、地球の気温が上がったことで海面の上昇も見られています。1901年から2010年の変化をみると、温暖化によって氷が解け、世界の平均海水面は19cmも上昇しました。1979年以降、海氷面積は縮小傾向にあります。

2021年の国連発表によると、仮に目標が達成できても、今世紀末までに平均気温が2.7度上昇する可能性が高いことから、一層の対策の強化を求めています。

早急に効果的な対策を実施しなければ、さらなる海氷の縮小により生態系に影響を及ぼしたり、作物の収穫量の減少で食糧不足が起きたりするなど、あらゆる面に深刻な事態が及んでしまうかもしれません。

 

SDGsの社内浸透にお困りですか? SDGsコンパスなら体験を通してSDGsを楽しく学べます!

⇒SDGsコンパスの資料を見てみたい

 

SDGsの目標13における3つの達成目標

SDGsの目標13には、以下3つの達成目標があります。

1.災害発生時に対応できる力をそなえる

  • “気候に関する災害、自然災害が起きたときに、対応したり、立ち直ったりできる力を、すべての国でそなえる。”

気候変動が進む今、いつどのような災害が発生するかはわかりません。近年では、真夏の酷暑や、猛烈な勢いの台風などによる災害が発生しています。

気候変動によって災害が発生することを想定し、どの国もきちんと対応力や立ち直るための能力をそなえておく必要があるのです。災害が発生したときにそなえてマニュアルを完備したり、情報提供をしたりすることはもちろんのこと、ライフラインを強化するなど、ソフト面・ハード面を問わずに対策しなければなりません。

2.気候変動への対応をそれぞれの国が計画する

  • “気候変動への対応を、それぞれの国が政策や戦略、計画に入れ、いつでも実施できるようにする。”

気候変動は世界の問題であるため、先進国・開発途上国を含めた各国が具体的な対応を考える必要があります。

たとえば、気候変動によって、どのような産業に影響が及ぶのかを考え、負担や損害を回避したり、最小限に抑えたりできるようにする必要があります。

3.気候変動にそなえるため人や組織の能力を向上する

  • “気候変動を早い段階で警戒するために、教育や啓発をより良いものにすると同時に、人や組織の能力を高めていく。”

気候変動による影響として比較的大きなものが自然災害です。干ばつや洪水、豪雨など気候変動による災害を想定して事前にそなえておかなければなりません。

また、気候変動のスピードをゆるめることも重要です。地球環境に配慮した取り組みを積極的に行い、気候変動のスピードを遅らせることができれば、人や国への影響も減らしやすくなります。

そのためにも、気候変動に関する適切な教育や啓発を実施し、人と組織の能力を向上することが大切です。

達成するための具体的な方法2

SDGsの目標13である「気候変動に具体的な対策を」を達成するために必要な方法として、以下の2つが挙げられます。

1.緑の気候基金を立ち上げて活用する

SDGsの目標13を達成するためにも、まず必要な方法であるといえるのが資金の確保です。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)において、先進国は2020年までにあらゆるところから年間1,000億ドルを集めて使えるようにするという約束をしています。

この資金は、だれにでもわかるような形で使えるようにすることが前提であり、開発途上国も必要に応じて活用することが可能です。

また、気候変動への対応については、気候変動のスピードをゆるめる行動をとることが重要視されています。そのための資金を確保するために「緑の気候基金」を立ち上げる必要があります。緑の気候基金とは、開発途上国の温室効果ガス削減と気候変動の影響への対処を支援するための基金です。国際連合枠組条約(UNFCCC)に基づく資金供与の制度で、運営を委託されています。

このように、開発途上国の人々と国を守るために資金を募っていくことが重要なのです。

2.開発が遅れている国の能力向上のための仕組みづくりをすすめる

最も開発が遅れている国や小さな島国、また、そこで暮らす女性や若者など、社会から取り残されている人々は少なくありません。これらのコミュニティへの配慮は、SDGsの目標を達成するためにも不可欠です。

気候変動が進む今、それらの人々は、気候変動における具体的な対策を取れていません。すべての人々が、気候変動に関する効果的な計画を立てて管理する能力が必要なので、コミュニティに重点を置き、適切な仕組みづくりを行う必要があります

日本における取り組み事例

気候変動問題は、企業を含めて世界規模で取り組むべきものです。ここからは、日本企業における取り組み事例を紹介します。

1.【企業】アサクラ

不織布製品を取り扱うアサクラでは、気候変動とその影響に向き合い、さまざまな環境対応商品を展開しています。たとえば、再生ペット不織布を使用した製品や、セルロース100%のシーツなどが挙げられます。

植物由来の生分解素材など、環境に配慮した素材も積極的に使用し、気候変動の原因となる環境問題にも目を向けているのが特徴です。

再生ペットボトルをリサイクルで使ったり、繰り返し使える製品を開発したりするなどして、SDGs目標13に取り組んでいます。

出典:環境配慮型商品とSDGsへの取り組み 株式会社アサクラ

2. 【企業】グッドフェローズ

グッドフェローズは、「IT×リアルでエネルギーをつくる、えらぶ、まもる」をミッションとして掲げ、太陽光発電システムの普及へ貢献しています。さらに、太陽光発電を遠隔でモニタリングするサービス「エコめがね」を展開しています。環境や気候変動といった深刻な社会問題に真正面から向き合っています。

また、同社では、近年の太陽光発電の需要増加に伴い、太陽光発電機器のメンテナンス事業も開発しました。業者選びからメンテナンスまで対応しています。

出典:SDGsの取り組み | 株式会社グッドフェローズ|Goodfellows,inc.

3. 【企業】GSアライアンス

GSアライアンスが取り組むSDGs目標13は、使用する素材や排水の処理に着目した内容です。まず、石油や石炭を一切使用しないという独自のルールのもと、非可食性植物から燃料や化学物質をつくり出す技術を取り入れています。

これにより、二酸化炭素の排出量を大幅に削減し、気候変動の原因となる環境問題の対策にも取り組んでいます。また、環境にやさしい水処理用凝集剤を展開。環境にやさしいだけではなく、生物や人体に対しても無毒であるため安心して使用できます。

出典:SDGsへの取り組み | 環境・エネルギー材料研究開発

4. 【企業】大建工業

大建工業では、気候変動の原因となる環境問題に目を向け、温室効果ガス削減に積極的に取り組んだり、環境マネジメントシステムの向上を実施したりしています。また、環境に対する負荷を低減することも視野に入れ、事業プロセスの見直しを行っています。

出典:DAIKENとSDGs|DAIKEN-大建工業

世界における取り組み事例

ここからは、世界における取り組み事例を紹介していきます。

出典:SDG Industry Matrix日本語版−食品・飲料・消費財 | グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

1.味の素アニマル・ニュートリション・グループ

食と健康の課題解決企業を目指す「味の素アニマル・ニュートリション・グループ」。SDGsの取り組みとして、環境にやさしい商品の開発を行っています。また、国際組織と現地組織での協働により、飼料用アミノ酸のメリットも積極的に提唱しました。

飼料用アミノ酸のメリットは、動物からの窒素の排せつ大幅に削減でき、自然のたんぱく質資源を守ることにつながる点です。土壌や水の品質を守り、二酸化炭素の排出量の削減を実現できる製品でもあります。

結果的に、飼料用アミノ酸は、耕作地の効率的利用の貢献を実現しているのです。

2.アンハイザー・ブッシュ・インベブ

ベルギーに本社を置くアンハイザー・ブッシュ・インベブ。酒類メーカーとして世界的に知られている企業です。同社は、SDGs目標13の取り組みの一環として「SmartBarley™」というテクノロジープラットフォームを立ち上げました。

SmartBarley™に参加している栽培業者が匿名でお互いの成果を比較できるのが特徴で、地域間における違いに気づく機会につながっています。このプラットフォームは、それぞれの効率を比較したり、改善点を見つけ出したりする技術と管理プログラムのポートフォリオが組み込まれているので、利用することで農業従事者の気候変動の適応力を強化・向上することが期待できます。 

3.コンシューマー・グッズ・フォーラム

アジア太平洋地域に本社を置く「コンシューマー・グッズ・フォーラム」は、大手の食品・消費財メーカーや小売業の企業が加盟する団体で、日本の有名企業も加盟しています。

そんなコンシューマー・グッズ・フォーラムでは、気候変動に対応した政策の設定を各国首脳に呼びかけています。

グローバルな気候変動に対応するべく、各国のトップに呼びかける組織や団体は珍しいもの。同団体は自らの影響力を理解し、効率的に行使することで、SDGsに取り組んでいます。

 

SDGs研修・体験型SDGsイベント

SDGs研修】ワールドリーダーズ(企業・労働組合向け)

 

概要

  • SDGs社会に合わせた企業経営の疑似体験ができるSDGsビジネスゲーム
  • 各チームが1つの企業として戦略を立てて交渉し、労働力や資金を使って利益最大化を目指す
  • オプションとして「SDGsマッピング」を行うことで学びの定着・自分ごと化

特徴

  • 自分達の利益を追求しつつも、世界の環境・社会・経済も気にしなければならず、ビジネス視点からSDGsを感じ、考えることができる
  • チームで戦略を練り様々な可能性を話し合う必要があるため、深いチームビルディングに繋がる
  • 様々な選択肢の中から取捨選択して最適解を導く考え方を身につけることができる

サービスの詳細をまとめた資料はこちらから

 

【親子参加型職業体験イベント】キッズタウンビルダーズ(商業施設・企業・労働組合向け)

概要

  • 体験を通じてSDGs目標の「質の高い教育」を学べる親子参加型ワークショップ
  • 子どもが楽しみながらも本気で学べる、複数の職業体験を実施
  • 会議室やホールなど企業様のイベントとしても開催可能

特徴

  • あえて「映える」職業ではなくありふれた職業を選定している
  • 合計で就業人口の7割を占める上位5つの職業をピックアップし、本質的な学びが得られる職業体験
  • ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進

サービスの詳細をまとめた資料はこちらから

 

【親子・子ども向け地域イベント】SDGsアドベンチャー(商業施設・自治体向け)

概要

  • 体験を通じてSDGsを学べる親子・子ども向けワークショップ
  • 子どもが本気で楽しめる複数の体験型アクティビティを実施
  • すべてクリアした方にSDGs缶バッチをプレゼント

特徴

  • ハッピーワールドの世界観を演出することで参加者が没入感をもって取り組める
  • 海の環境やゴミの分別・再利用など、参加者は身近なことからSDGsを学べる
  • ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進

サービスの詳細をまとめた資料はこちらから

 

まとめ

今回は、SDGs目標13について解説しました。急速に進む気候変動を「遅らせる」「影響にそなえる」の2点が重要です。日本の熱帯夜の日数が30年前と比べておよそ2.6倍増えていることなどを踏まえると、これからの気候変動も非常に心配なところといえるでしょう。

SDGsの取り組みを検討している企業は、事業における二酸化炭素の排出量削減を目指すなど、自社でできることを探してみてください

 

SDGsのはじめの一歩を支援するSDGsイベント・研修とは?

サービス総合資料はこちらから

 

SDGsのはじめの一歩を実現する「SDGsの社内浸透方法」とは?

進めるための具体的なステップを紹介!

解説資料のダウンロードはこちらから

 

自分ゴト化を促進!3分で分かるSDGs研修・イベントサービスの詳細動画

 

SDGsイベント・研修向け体験型アクティビティの資料はこちら/

SDGsイベントの相談をする

 

 

【関連記事】

環境に配慮した商品とは?選び方やおすすめ20選をご紹介

気候変動対策の具体例20選!日本・海外の企業の取り組みを紹介

SDGsとは

「SDGsの目標のために会社でできることをしたいけれど、何をしたらいいのかわからない」

そんなお悩みを持つ方におすすめなのが、「SDGsコンパス」です。

SDGsコンパスは、SDGsの取り組みを行いたい企業や自治体の「はじめの一歩」をサポートするプロジェクトです。

年間でおよそ1000件のイベントを開催しているIKUSAが、ビジネスゲームやワークショップ、オンライン謎解きを通してSDGsに関心がわくきっかけを作ります。

「SDGsの目標達成のためには、二酸化炭素の排出量削減を目指すことの他に、どんな取り組みをしたらいいのか知りたい」

「SDGsの知識を、家族でイベントを楽しみながら深めたい」

「会社のみんなと、SDGsのことをイベントをしながら考えたい」

そんな考えをお持ちの方は、ぜひ資料に目を通してみてください。

SDGsコンパスの資料をダウンロードする
SDGsコンパス編集部

この記事を書いた人

SDGsコンパス編集部

SDGsコンパスは、SDGsに踏み出したい企業や自治体様の「はじめの一歩」を後押しするメディアです。SDGsの目標やSDGsの導入方法などのお役立ち情報を発信していきます。

関連記事

新着記事