SDGsの目的とは?作られた背景や目指す未来をわかりやすく解説
「SDGs」を知っていますか? 最近ではニュース等で取り上げられることも増え、カラフルなロゴやバッジを付けている人を見かけることも多くなりました。
SDGsは日本語で「持続可能な開発目標」と訳されますが、そもそも「持続可能な開発」とは、一体どういう意味なのでしょうか。また、取り組みは日本の企業にどれくらい浸透しているのでしょうか。
SDGsの目的や誕生した背景、目指す未来の形を、わかりやすく解説します。
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目次
SDGs(持続可能な開発目標)とは?
2015年9月、ニューヨークの国連本部で国連サミットが開催され、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が、加盟国の全会一致で採択されました。2030年までに、持続可能なより良い世界を実現するための、世界の行動計画です。
SDGsとは、この「2030アジェンダ」内で掲げられている具体的な目標のことで、貧困や飢餓、ジェンダー平等、気候変動など、地球規模の様々な課題に対する17のゴールと169のターゲットが設定されています。
例えば、ゴール1の「貧困をなくそう」には、以下のようなターゲットがあります。
- 1 – 1:2030年までに、極度の貧困をなくす
- 1 – a:開発が遅れる地域への対策のために資金を集める
後ろが数字で示されているものは、そのゴールに対するより具体的な目標で、アルファベットで示されているものは、実現するための方法です。
こちらの記事でSDGsについて詳しく解説しています。ぜひ参考にご覧ください。
SDGsとは
出典:1.貧困をなくそう | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)
そもそも「持続可能な開発」の定義とは
SDGs(Sustainable Development Goals)は、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。そもそも、この日本語の意味が分からないと感じる人も、少なくないのではないでしょうか。「持続可能な開発」とは、このように定義されています。
“将来の世代がそのニーズを満たせる能力を損なうことなしに、現在のニーズを満たす開発”
(SDGs ― よくある質問 | 国連広報センターより引用)
目先の利益や便利さを追求するだけでなく、後の世代も豊かな暮らしを続けられるような開発をしていかなければならないということです。
これを実現するためには、経済成長・社会的包摂・環境保護という3つの要素を調和させる必要があります。
※社会的包摂……様々な問題により社会の隅に追いやられている弱い立場の人々も含め、皆が社会に参加し、それぞれが潜在的な能力をできる限り発揮できる環境を整えること
この3つの要素は互いに関連しており、いずれかを優先し、いずれかを犠牲にするようでは、世界は立ち行かなくなってしまうのです。
出典:社会的包摂政策を進めるための 基本的考え方‐厚生労働省
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SDGsの目的
SDGsの目的は、貧困を終わらせ、地球環境を守り、すべての人々が平和と豊かさを享受できる世界を実現することです。それぞれについて、詳しく解説します。
貧困に終止符を打ち、不平等をなくす
「2030アジェンダ」は、あらゆる形態の貧困撲滅は最も大きな地球規模の課題であり、持続可能な開発のためにその解決が不可欠であるとしています。
「あらゆる形態」と書かれているように、貧困とは、収入が少ないことだけを指すのではありません。飢餓・栄養不良や、安全な水と衛生施設へのアクセスがしにくいこと、十分な教育や医療を受けられないことや、あらゆる差別なども「貧困」に含まれます。
世界中で、貧困に苦しむ人々はどのくらいいるのでしょうか。
- 極度の貧困状態(1日9米ドル未満の生活)にある人は約7億1,000万人で、その内およそ半数を子どもが占めている。
- 世界の5歳未満児の約3%が日常的な栄養不足に陥っている。飢餓や医療を受けられないこと等、様々な原因で、多くの子供たちが5歳未満で命を落としている。
- 地表の水を利用して暮らす人、屋外で排泄している人の数は依然として多い。
- 5900万人もの子どもたちが小学校に通うことができておらず、特に女児に多い。
- 妊娠・出産に伴い、年間29万5,000人もの女性が亡くなっている。
このような問題はアフリカの開発途上国に集中していますが、日本を含む先進国も、都市部の貧困やジェンダー格差などが課題となっています。SDGsは、地球上のあらゆる貧困と格差の撲滅を目指しています。
出典:持続可能な開発のための2030アジェンダ(仮訳)‐ 外務省(PDF)
出典:SDGs副教材「私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」ポータルサイト|子どもと先生の広場|日本ユニセフ協会
地球環境を守る
地球は今、さまざまな環境問題を抱えています。近年、世界各地で異常気象が頻発するようになり、地球温暖化のニュースを耳にすることが多くなりました。このまま地球温暖化が進めば、以下のような危機が増えると予想されています。
- 干ばつや砂漠化が進行し、農作物が育たなくなったり、水不足が深刻になる。
- 異常気象により家を失い、移動を余儀なくされる人が増える。
- マラリア、デング熱などの感染症が発生、拡大する恐れがある。
- 大気汚染による健康被害が拡大する。
- 生物多様性が失われていく
すでに、世界各地でこのような被害が出ています。
また、人間の過剰な消費による環境破壊も深刻です。森林伐採、資源の乱獲などにより、生物多様性は驚くほどの速さで失われています。地球の資源は無限ではありません。美しい地球を守るために、持続可能な生産・消費のサイクルを構築することが不可欠なのです。
出典:SDGs副教材「私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」ポータルサイト|子どもと先生の広場|日本ユニセフ協会
すべての人が平和と豊かさを享受できるようにする
世界にはさまざまな暴力や差別が存在し、多くの人が恐怖にさらされるなかで、不自由な生活を送っています。日本では想像もできないようなことですが、極度の貧困や、対立・紛争に直面している国や地域では、以下のような問題を抱えているのです。
- 武力紛争に巻き込まれる(子どもを含んだあらゆる立場の人びと)。
- 紛争により故郷を奪われ、移動を余儀なくされる。
- 多くの子どもたちが教育の機会を奪われ、働かされたり(児童労働)、望まない結婚をさせられたりしている(児童婚)。
また、私たちの身近にも、家庭内暴力やいじめ、性別や宗教などを理由とした差別など、あらゆる暴力や差別が存在します。近年はインターネットの普及により、こうした暴力に社会が気づきにくいことも大きな課題となっています。SDGsは、すべての人が法によって守られ、暴力や差別のない平和な世界を目指しています。
出典:SDGs副教材「私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」ポータルサイト|子どもと先生の広場|日本ユニセフ協会
SDGsに取り組むうえでの原則
日本でも広がりを見せるSDGs。これから取り組みをはじめる企業や団体も多いのではないでしょうか。SDGs達成に最大限貢献するために、取り組むうえでの原則ともいえる、重要なキーワードを2つ紹介します。
あらゆる目標の同時解決
SDGsは、経済・社会・環境のあらゆる課題を、同時に解決することを目指しています。17のゴールと169のターゲットは、それぞれが互いに影響し合っているため、一つのゴールやターゲットに対する取り組みは、気づかないうちに、別のゴールやターゲットにも貢献している場合があります。
環境省の「平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」より、食品ロス削減の例を紹介します。
出典:環境省_平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第1章第2節 SDGsの各ゴールの関係と世界の現状P.3より引用
例えば、ゴール12「つくる責任 つかう責任」のターゲットのひとつ、12–3「食料の廃棄・損失を減らす」に取り組むとします。これを達成することは、同時に他のターゲット12–2「天然資源の管理及び効率的な活用」や、12– 5「廃棄物の削減」にも貢献します。
さらに、ゴール8「働きがいも 経済成長も」のターゲット8–2「高いレベルの経済生産性」、8– 4「資源効率の改善」、ゴール13「気候変動に具体的な対策を」のターゲット13–2「気候変動対策を盛り込む」にもつながります。また、必要以上の食糧を消費しないことは、ゴール2「飢餓をゼロに」にも貢献できるかもしれません。
また、取り組みを実施するために、知識の習得や新技術の導入、新たなパートナーシップを結ぶ必要になることもあるでしょう。すると、必然的にほかのゴール・ターゲットにも取り組むことになるのです。
逆に、取り組みがほかのゴールやターゲットに悪い影響を与えてしまうこともあります(トレードオフ)。特に一つのゴールやターゲットのみの達成を目指していると、思わぬトレードオフを見落としてしまうかもしれません。取り組みを決定する際には、その目標が及ぼす影響について、あらゆる方面から十分に検討することが重要です。
出典:環境省_平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第1章第2節 SDGsの各ゴールの関係と世界の現状
誰一人取り残さない
SDGsは、持続可能な世界を実現し、「誰ひとり取り残さない」ことを誓っています。現在世界は、開発途上国、先進国それぞれがさまざまな問題を抱えており、弱い立場に置かれている多くの人々が、取り残されている状況です。
国連広報センターの「持続可能な開発目標(SDGs)報告2021」には、17の目標に加えて、「誰一人取り残さない」の項目があります。これによると、3人に1人の障害者がこれまでに何らかの差別を受けた経験があり、特に女性に多いということが報告されています。
また、日本はジェンダー平等における遅れも大きな課題です。経済・政治・教育・健康の4つの分野における男女の格差を測る「ジェンダーギャップ指数」の日本の順位は、156ヵ国中120位で、先進国のなかでは最低レベルです。
SDGsの達成に貢献するためには、このような身近にある格差や不平等に目を向けることも大切です。
出典:「共同参画」2021年5月号 | 内閣府男女共同参画局
SDGsが作られた背景
これまでも、国や国際機関は共に力を合わせ、地球上のあらゆる問題解決に取り組んできました。SDGsが誕生するまでの歴史、そしてSDGsの元になったMDGs(ミレニアム開発目標)について、解説します。
SDGs誕生までの歴史
SDGsが誕生するまでの主要な出来事を、年代ごとに紹介します。
70年代
1972年
- ローマクラブ(世界中から有識者が集まって設立された研究会)が報告書「成長の限界」を発表。このままではあと100年以内で地球の成長は限界に達すると警鐘を鳴らし、世界中の注目を集めた。
- 世界初となる環境に関する国際会議が、スウェーデンのストックホルムで開催され、「人間環境宣言」が採択された。これを実施するための機関として、「国連環境計画(UNEP)」が創設された。
1979年
- 「女子差別撤廃条約(女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約)」が第34回国連総会において採択され、ジェンダー平等について考えられるようになった。
80年代
1980年
- 「世界自然資源保全戦略(World Conservation Strategy)」で、初めて「持続可能性」の概念が登場する。
1987年
- 環境と開発に関する世界委員会(WCED)は、「ブルントラント・レポート:我ら共有の未来(Our Common Future)」を発表。初めて「持続可能な開発(Sustainable Development)」という言葉が使われる。
1988年
- 世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により、気候変動に関する研究・分析や評価をするための政府間組織「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が設立され、初会合が開かれる。
1989年
- ベルリンの壁崩壊。経済が急激にグローバル化し、指導者層、国や組織のリーダー的立場の人びとの間で環境問題に対する意識が高まる。
90年代
1992年
- ブラジル・リオジャネイロで国連環境開発会議(地球サミット)が開催され、持続可能性の概念が世界的に普及し始める。このサミットでは、「リオ宣言」、「アジェンダ21」が採択、「気候変動条約」や「生物多様性条約」が成立した。
1997年
- 京都で第3回気候変動枠組み条約締約国会議(COP3)が開催され、温室効果ガス削減の具体的な目標が定められた「京都議定書」が採択された。
2000年代
2000年
- MDSs(ミレニアム開発目標)が採択。達成期限を2015年とし、主に開発途上国が抱える課題に対する8つのゴールと21のターゲットが掲げられた。
2015年
- SDGsが採択。達成期限を2030年とし、すべての国や地域で誰ひとり取り残すことなく、持続可能な世界の実現を目指す。
出典:SDGsってなんだろう? | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)
出典:国連環境計画(United Nations Environment Programme(UNEP))|外務省
SDGsの前身「MDGs(ミレニアム開発目標)」の成果と課題
SDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)は、主に開発途上国の課題解決を目指したもので、あらゆる分野で大きな成果が見られました。
MDGsの主な成果
- 極度の貧困のなかで暮らす人々の数が、1990年の19億人から2015年には8億3,600万人と、半分以下に減少した。
- 学校に通う女児、女性の国会議員の割合が上昇した(データが入手できる174ヵ国のほぼ90%)。
- 2015年の5歳未満児の年間死亡数は、1990年と比較して53%減少した。
- 2013年の妊婦死亡率は、1990年と比較して45%減少した。
- HIVの新規感染者数は、2000年から2013年にかけて約40%減少、マラリアや結核からも多くの命が守られた。
- 安全な飲料水を利用できる人の割合が大幅に向上、屋外で排便する人々の割合も半減した。
- 先進国による政府開発援助(ODA)が増大し、1352憶ドルに達した。
しかし、MDGsでは課題も残りました。貧困や飢餓、栄養不良に苦しむ人々、水ストレス(水不足によって不便が生じている状態)のなかで生活する人々、教育を受けられない子どもたちの数は依然として多く、特にサハラ以南のアフリカに集中しているなど、地域によって達成度にばらつきも見られます。
また、開発途上国だけでなく、日本を含む先進国の貧困や格差、ジェンダーの不平等などの問題も明らかになってきました。こうした課題を引き継ぎ、開発途上国、先進国、すべての国の共通目標として生まれたのが、SDGsです。
SDGsの達成には企業の力が不可欠
SDGsとMDGsとの大きな違いの一つに、達成のために企業の重要性が増しているということが挙げられます。また、企業にとっても、大きなビジネスチャンスを秘めているSDGsは、決して無視できない存在です。
SDGsは企業に何を求めており、経営戦略に取り入れることでどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
SDGsを達成するための企業の役割
MDGsは、国連の専門家主導で策定された目標だったのに対し、SDGsは、193の国連加盟国の8回にも及ぶ政府間交渉のすえに策定され、議論にはNGOや民間企業、市民社会の人々も参加して作られました。
開発途上国や地球環境に関する課題に加えて、先進国のあらゆる格差、生産や消費の在り方など、目標の範囲も大きく拡大しているため、この目標を達成するためには、世界のすべての人々が行動を起こすことが必要なのです。そのなかでも、企業の役割がとても重要なものとなっています。
2017年1月に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)で、SDGsが達成されれば年間12兆ドルもの経済効果を期待できるとの報告書が発表されました。SDGsは、世界経済を好転させる大きなチャンスなのです。
しかしその為には、企業は利益追求と同等のエネルギーを社会問題の解決に投入し、ビジネスモデルの変革に踏み出さなければなりません。環境や人権に配慮しない利益重視の経営を続ければ、いずれ世界のバランスは崩れ、ビジネスは立ち行かなくなるでしょう。SDGsに取り組むことは、企業の持続可能性を確保することにもつながるのです。
出典:外務省: “誰一人取り残さない”世界の実現-「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の採択
出典:SDGsと企業戦略~持続可能なビジネスに変革するSDGs導入~|公益財団法人地方経済総合研究所
企業がSDGsに取り組むメリット
SDGsへの取り組みは、企業にとって以下のようなメリットがあります。
ビジネスチャンス
SDGsへの取り組みをきっかけに、自社の新たな強みに気づくことができたり、新たなイノベーションやパートナーシップが生まれたりする可能性があります。
企業のイメージアップ
良い印象を持ってもらうことで、売り上げアップや、優秀な人材の確保、あらゆるステークホルダー(利害関係者)との結びつきを強くすることができるでしょう。
生存戦略
ESG投資(環境・社会・ガバナンス要素も考慮した投資)が、日本でも大きな注目を集めています。企業の評価に社会問題への取り組みが影響する時代になってきており、SDGsへの取り組みは、ビジネスにおける取引条件になる可能性もあると言われています。
出典:すべての企業が持続的に発展するために₋持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド〔第2版〕|環境省
企業におけるSDGsの認知度
「SDGs」という言葉を聞かない日はないほど、ニュース等でも取り上げられることが増えました。実際、日本の企業の間にどれくらい浸透しているのでしょうか。
帝国データバンクが2021年6月に行った調査によると、SDGsに積極的な企業は39.7%で、前年(24.4%)から大幅に増加しています。一方で、言葉は知っているが重要性が理解できていない・取り組んでいないといった、SDGsに消極的な企業の割合は50.5%で、こちらも前年(47.7%)を上回る結果となりました。
規模別にみると、大企業では半数以上が積極的であるのに対し、中小企業では36.6%と、まだまだ浸透しているとは言えない状況です。また、経営との関連性がわからないという声も少なくありません。
17のゴールのなかでは、比較的関連付けやすいゴール8「働きがいも 経済成長も」に力を入れている企業の割合が最も高いという結果でした。
出典:SDGsに関する企業の意識調査(2021年) ‐TDB景気動向調査
2030年にSDGsを達成するうえでの課題
SDGsの期限である2030年まで、残り10年を切っています。しかし、度重なる異常気象、ジェンダーの問題、相対的貧困など、私たちの身近にもまだまだ課題が残っています。国際連合が2021年7月に発表した「持続可能な開発目標(SDGs)報告2021」から、世界の達成度や現在の課題を見てみましょう。
新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、数十年の成果を帳消しにしてしまいました。貧困や飢餓の悪化、子どもの読解力水準の低下、児童労働の増加など、開発途上国の人々はより苦しい状況に追いやられています。
また、医療従事者の不足、家事や育児における女性の負担の増加、雇用情勢の悪化など、私たちの身近なところにも、パンデミックの影響があります。景気は回復しているものの、元の水準に戻るのは2022~2023年になる見込みで、観光業に限っては最長4年がかかると予想されています。
一方で、コロナ禍によりリモートワークが普及し、ライフワークバランスを実現しやすくなったことや、衛生に対する意識が世界中で底上げされたことなど、良い影響も少なからずありました。政治判断の重要性、医療従事者の偉大さ、キャッシュレスの利便性など、気づけたこともあります。
これらの影響を前向きにとらえ、2030年に向けて、新たな日常をつくりあげていかなければなりません。
出典:新型コロナが私たちに気づかせたものとは?: 日本経済新聞 (nikkei.com)
いまだ残る多くの課題
世界には、いまだに多くの課題が残されています。パンデミックの影響で、「外出制限により大気汚染が改善された」「観光客が減ってハワイの海の透明度が増した」というニュースもありましたが、地球全体で見ると、環境問題はあまり改善しているとは言えない状況です。
2020年の地球の平均気温は、産業革命前と比べて1.2℃上昇し、この20年間で1億ヘクタールの森林が失われ、多くの生物が絶滅の危機に瀕しています。
また、いまだに大勢の人々が水ストレス(水不足によって不便が生じている状態)を抱え、電気も利用できない環境で生活しているなど、開発途上国の課題も残されたままです。
出典:20年に大気汚染改善、外出制限で 世界気象機関: 日本経済新聞
出典:ビジネス特集 変貌するハワイ「今ぐらいがちょうどいい」 | 新型コロナ 経済影響 | NHKニュース
達成するための「行動の10年」へ
国連は、2020年1月、「行動の10年(Decade of Action)」をスタートさせました。新たなロゴやガイドラインを作成し、2030年の達成に向けて、取り組みの規模を拡大し強化させていくことを、世界中に呼びかけています。
パンデミックはSDGsに大きな打撃を与えましたが、そのなかでも、社会的保護の拡大や独自の連携など、SDGs達成の強固な基盤となるようなものを得ることもできました。改めて世界が一丸となり、取り組みを加速させていこうという決意の兆しも見られます。
SDGs研修・体験型SDGsイベント
【SDGs研修】ワールドリーダーズ(企業・労働組合向け)
概要
- SDGs社会に合わせた企業経営の疑似体験ができるSDGsビジネスゲーム
- 各チームが1つの企業として戦略を立てて交渉し、労働力や資金を使って利益最大化を目指す
- オプションとして「SDGsマッピング」を行うことで学びの定着・自分ごと化
特徴
- 自分達の利益を追求しつつも、世界の環境・社会・経済も気にしなければならず、ビジネス視点からSDGsを感じ、考えることができる
- チームで戦略を練り様々な可能性を話し合う必要があるため、深いチームビルディングに繋がる
- 様々な選択肢の中から取捨選択して最適解を導く考え方を身につけることができる
【親子参加型職業体験イベント】キッズタウンビルダーズ(商業施設・企業・労働組合向け)
概要
- 体験を通じてSDGs目標の「質の高い教育」を学べる親子参加型ワークショップ
- 子どもが楽しみながらも本気で学べる、複数の職業体験を実施
- 会議室やホールなど企業様のイベントとしても開催可能
特徴
- あえて「映える」職業ではなくありふれた職業を選定している
- 合計で就業人口の7割を占める上位5つの職業をピックアップし、本質的な学びが得られる職業体験
- ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進
【親子・子ども向け地域イベント】SDGsアドベンチャー(商業施設・自治体向け)
概要
- 体験を通じてSDGsを学べる親子・子ども向けワークショップ
- 子どもが本気で楽しめる複数の体験型アクティビティを実施
- すべてクリアした方にSDGs缶バッチをプレゼント
特徴
- ハッピーワールドの世界観を演出することで参加者が没入感をもって取り組める
- 海の環境やゴミの分別・再利用など、参加者は身近なことからSDGsを学べる
- ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進
まとめ
SDGsが目指す、誰ひとり取り残すことのない持続可能な未来とは、貧困を終わらせ、地球環境を守り、すべての人々が平和と豊かさを享受できる世界です。世界にはいまだに多くの課題が残されており、加えて2020年にはパンデミックの影響を大きく受けました。
持続可能な社会を実現するためには、一人ひとりが自分ゴトとしてSDGsの達成に向けて取り組むことが重要です。
SDGsのはじめの一歩を支援するSDGsイベント・研修とは?
SDGsのはじめの一歩を実現する「SDGsの社内浸透方法」とは?
進めるための具体的なステップを紹介!
自分ゴト化を促進!3分で分かるSDGs研修・イベントサービスの詳細動画
\SDGsイベント・研修向け体験型アクティビティの資料はこちら/
この記事を書いた人
あらたこまち
雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。
不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。
猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。