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SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の概要と取り組みをわかりやすく解説

SDGsについて興味があるけど具体的に何をすればいいの?」といった疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。

SDGsには17の目標があり、まずはそれぞれの目標について理解を深め、「自社の事業と関連が深そうな目標は何か?」を見定めることが大切です。

全部で17あるSDGsの目標のうち7・エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、おもに「エネルギー」へ目を向けた目標です。

 

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SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」とは

SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、エネルギーに着目して設定された目標です。

今やエネルギーなくして社会は成り立たないといっても過言ではないほど、私たちにとって不可欠なものです。たとえば、食料の生産や、便利な設備・サービスの提供など、いずれもエネルギーの影響を受けます。

一口にエネルギーといってもさまざまなものがありますが、とくに電力は私たちの生活に欠かせません。開発途上国も近代的なエネルギーにアクセスできるようにすることが、SDGs目標7の目指す場所の1です。

手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

電力をはじめとするエネルギーは、日本では当たり前のように使用できています。しかし、国によってはエネルギーの恩恵を受けられないところも少なくありません。その結果、雇用や安全保障などの面で課題が生じている状況です。

誰もがエネルギーにアクセスできるよう、包摂的なコミュニティーをつくることや、利用の拡大に力を入れる必要があります。また、収入や立場などで利用できる人に差が生じることのないよう、「手ごろに利用できること」「安心して利用できること」などが重要です。

しかし、現実問題としては、課題の解決までにはまだまだほど遠く、時間やコストがかかることが想定されます。

数字で見る「エネルギー」の現状

世界の人口のうち、およそ13%が現代的電力を利用できていないとされています。

電力を利用できない国・地域においては、おもに薪や石炭、木炭などを燃料に調理を行ったり、暖をとったりしている状況です。また場合によっては、動物の排せつ物を燃料に活用するなど、衛生面や安全性から見て不安がある環境で過ごしています。

これらの可燃燃料の使用による「屋内空気汚染」で命を落とす人も少なくありません。2012年では、430万人もの人々が屋内空気汚染で命を失っています。

また、エネルギーは気候変動を助長する大きな原因です。全世界の温室効果ガス排出量の6割を占めるのはエネルギーを得るために排出されたものという事実があります。

 

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SDGsの目標7における3つの達成目標

SDGsの目標7が掲げる達成目標は、大きく3つあります。「誰もが現代的なエネルギーを使えるようにすること」「再生可能エネルギーの割合の増大」「エネルギー効率の向上」などです。

具体的に各達成目標をどのように目指していくのか、以下を参考にしてください。

1.安く安定して現代的なエネルギーを使えるようにする

  • 2030年までに、すべての人が安価で、しかも安定して現代的なエネルギーを使えるようにする。”

SDGsの目標7における達成目標として、まず挙げられるのが誰もが現代的なエネルギーを使えるようにすることです。現状としては、世界の一部の人々しか現代的なエネルギーを利用できていません。電力などのエネルギーが利用できるようになると、人々の収入の増加につながったり、効率の良い食料生産を実現できたりするなど、さまざまなメリットがあります。

とくに、開発途上国は収入が不安定もしくは極端に貧困であったり、食料が慢性的に不足していたりするケースが多く、現代的なエネルギーの需要は高いといえます。

また、現代的なエネルギーはすべての人がアクセスできることが望ましいため、安価で利用できることが前提です。さらに、安定して現代的なエネルギーを使えるようにすることが重要です。

2.再生可能エネルギーを使う方法の割合を増やす

  • 2030年までにエネルギーつくるにあたり、再生可能エネルギーを使う方法の割合を大きく増やす。”

SDGsの目標である「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を達成するためには、再生可能エネルギーの存在が必要不可欠です。

ここでいう再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱などのエネルギー源を意味します。これらのエネルギー源は使っても減らないうえに、二酸化炭素を排出することもなく、クリーンで環境に優しいエネルギーを作ることができるものなのです。

3.今まで以上の速さでエネルギー効率を良くする

  • 2030年までに、今までの倍の速さでエネルギーの効率を良くしていく。”

エネルギーの効率化は、SDGsの目標7を達成するうえで欠かせない要素です。同じ量のエネルギー源から、より多くの電力が生み出すことができれば、効率良くエネルギーを得ることができるでしょう。

なるべく資源を使用することなく、二酸化炭素を排出することなくエネルギーを得られるようにすることが目標です。環境に配慮し、有限の資源を守るためにも、「これまでの倍の速さ」でエネルギーの効率を改善しなければなりません。

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9種類の再生可能エネルギーとは?特徴やメリット・導入事例

目標達成のための具体的な方法2

目標達成のための具体的な方法には、大きく2つの方法が挙げられます。

1.研究を進め、みんなが技術を使えるようにする

エネルギーに関する課題を解決し、目標を達成するためには国際的な相互協力が必要不可欠です。

国と国とで手を取り合って、再生可能エネルギーやエネルギー効率に関する研究を進めたり、石炭や石油など化石燃料を使う場合であっても、なるべく環境に優しい技術を模索したりする必要があります。そして、開発などで生まれた技術は、国や地域、人種などを問わず「すべての人」が使えるようにすることが重要です。

これまではあらゆる分野で国と国が競争するような形で技術が進展・誕生することもありましたが、SDGsは世界が一丸となって取り組む目標です。それぞれが持てる技術と知識を駆使し、研究を進めながらより良いエネルギー環境を整えなければなりません。

また、技術開発や研究には莫大なコストがかかるのが現状ですが、こうした機関や組織の活動をスムーズにできるよう、必要な場所への投資も欠かせません

2.すべての人が現代的かつ持続可能なエネルギーを使えるようにする

エネルギーに関する目標は、最終的には「すべての人が現代的で持続可能なエネルギーを使えるようにすること」です。

おもに現代的で持続可能なエネルギーを活用できていないのは、開発途上国ですが、そのなかでも「最も開発が遅れている国」「小さな島国」「小さな内陸の国」などに目を向けなければなりません。

開発が大きく遅れている国の人々も含め、すべての人が現代的で持続可能なエネルギーを使うために、現地に設備を増やしたり、技術を向上させたりすることが大切です。

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クリーンエネルギーとは?種類ごとの特徴、現状の課題と政府の取り組みを紹介

日本における取り組み事例

ここからは、日本における取り組み事例として、4つの企業を紹介します。

1. ITO

防災や減災、バルク貯槽輸入販売など、さまざまな事業を手掛けるITOでは、国内外を問わずにインフラの普及を推進しています。

地球環境に優しい「ガス供給関連機器」を開発し、安心・安全に使えるように設計しています。エネルギーに触れることができない国にも展開して、貴重なインフラとして確立することを目指しています。

ITOの強みは、数々の技術賞などの受賞歴を持つほどの研究・開発力の高さです。自社の強みを生かし、近年注目されている低炭素及び脱炭素のための技術を提案しています。

出典:|- 企業情報 – 会社概要 -|- I・T・O 株式会社 WebSite -|- ガス供給機器・調整器のエキスパート -| ITO アイティーオー ITO 

2.キミカ

キミカが実施しているSDGs目標7の取り組みとして挙げられるのが「太陽光を活用する取り組み」です。同社は千葉プラントに888枚にも及ぶ太陽光パネルを設置しています。広さにすると1,428㎡という大規模な設備を導入していて、持続可能なエネルギーの確立を実現しているのです。

太陽光パネルを用いたエネルギーの取得であれば、使用時などに二酸化炭素を排出してしまうリスクがありません。さらに、太陽光がある限り使ってもなくならないので、地球上の資源を減少させてしまうこともありません。

太陽光パネルの設置においては、比較的ハードルが低いうえに、企業の電気代コストの削減にもつながることから、現在多くの企業で導入されている状況です。

出典:サステナビリティ|アルギン酸・アルギン酸ナトリウムなら株式会社キミカ

3.サノヤスホールディングス

サノヤスホールディングスでは、SDGs目標7の取り組みとして、太陽光発電事業の推進を行っています。同社が所有する1万㎡にも及ぶ兵庫県多可郡の土地に太陽光発電パネルを設置。その数はなんと3,220で、安全な再生可能エネルギーの推進を目的としています。

また、同社では、遠隔監視システムも導入しています。いつでも発電状況を確認でき、異常値を検知したときにはすみやかに対応できるような仕組みづくりも徹底しています。

出典:SDGsへの取り組み | CSR情報 | サノヤスホールディングス株式会社

4.大栄住宅

家づくりを担う大栄住宅では、SDGsの目標7の取り組みとして、自然エネルギーを燃料とした設備の普及を推進しています。

同社では、木質ペレットを燃料とする「ペレットストーブ」を推進していて、人はもちろんのこと、環境にも優しい設備として展開しています。また、自然素材を積極的に活用し「土に還る素材」として、持続可能なエネルギーの達成を目指しています。

出典:SDGs | 大阪市のリフォーム・リノベーションはゆいまーるClub(大栄住宅)

世界における取り組み事例

SDGs目標7の取り組みは、当然ながら日本だけではなく世界でも積極的に実施されています。ここからは、SDGsの目標7に取り組む世界の事例をご紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

出典:SDG Industry Matrix日本語版−製造業 | グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

1.ABB

スイスに本社があるABBは、エンジニアリング企業として知られています。世界100各国以上の従業員が在籍するという多国籍企業でもあり、世界をリードしている存在でもあります。

そんな同社が実施する取り組みは、「再生可能電源」です。再生可能なエネルギーを後押しするべく、再生可能な電源を従来型の電源と統合。エネルギーを自ら作り出す仕組みを確立しています。

また、蓄電池システムを活用し、風力や太陽光で発電する技術も開発しました。そのうえ、風力においては、わずかな風量でもエネルギーを獲得できるのが特徴です。

2.エアバス・グループ

オランダで誕生したエアバス・グループは、民間航空機メーカーです。

SDGs目標7の主な取り組みは、バイオマス原料を活用した燃料の開発支援です。バイオマス燃料は、化石燃料よりも、二酸化炭素の排出量が少ないのが特徴であり、持続可能な燃料であるとして注目されています。

また、大学や農家、他の航空会社などと提携し、特別な加工を加えずに既存の航空機で燃焼できる「ドロップイン燃料」の生産・展開を推進しています。 

3.キャタピラー

アメリカに本拠地がある「キャタピラー」。建設機械や鉱山機械、エンジン分野において世界最大規模の製造会社です。

太陽光発電のシステムを構築し、農村部や鉱山など場所を問わずに使用できる装置を展開しています。これにより、今まで電力を使用することが難しかった遠隔地にも電力を供給できるようになったのです。

また、将来的に使用するエネルギーを蓄えておくための「余剰再生エネルギーの貯蔵システム」も開発し、現在も速いスピードで進歩しています。 

4.ダンゴート

ナイジェリアで誕生した「ダンゴート」。精糖やセメント、石油、精粉、ガスなどさまざまな分野で事業を展開している会社です。

同社のSDGs目標7の取り組みは、エネルギープロジェクトとして、エネルギーインフラへ大規模な投資を行っていることです。額はおよそ50億米ドルであり、発電や送電、パイプラインプロジェクトなど、ナイジェリアの抱える課題解決のための取り組みとなっています。 

 

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まとめ

日本では当たり前のように使用できている電力などのエネルギー。しかし、世界ではまだまだそのエネルギーに触れることもできない国や地域があり、世界で10億人弱にも及ぶ人々が電力を利用できていません。

エネルギーの利用について考えることは、地球環境を考えることでもあります。今回紹介した事例を見てみると、自社でも取り組めそうなヒントがあったのではないでしょうか。まずは、エネルギー問題に関心を寄せ、「電気の使い方」から見直してみてください。

 

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