パートナーシップ

SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の概要と取り組みをわかりやすく解説

SDGsについて興味があるけど具体的に何をすればいいの?」といった疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。

SDGsには17の目標があり、まずはそれぞれの目標について理解を深め、「自分にできることは何か?」「自社の事業と関連が深そうな目標は何か?」を見定めることが大切です。

全部で17あるSDGsの目標のうち17・パートナーシップで目標を達成しよう」は、国や自治体、企業、個人などあらゆる立場から協力してSDGsの目標を達成するためのものです。

 

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SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」とは?

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」とは、世界のすべての人々が国境や人種を超えて協力し合いながら、目標を達成することです。

持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する

持続可能な開発を実現するためには、各国政府や社会が一丸となり、パートナーシップを築くことが大切です。

地球規模で抱えるあらゆる問題・課題を解決し、持続可能な社会をつくりだすことは私たち人間の暮らしに大きく関わり、すべての人々を救うことにもつながります。

各国が資金をかけて開発目標に向けて人材を動員したり、活用したりするなど、すみやかな対応が求められています。

数字で見る「パートナーシップのレベル」の現状

2014年の政府開発援助(ODA)総額は、およそ1,352億ドルにも及びます。また、開発途上国に特別な優遇措置を設け、先進国は開発途上国からの輸入品に一部を除いて関税をかけないなど、国ごとの状況に配慮した取り組みを行っています。

 

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SDGsの目標17における19の達成目標

SDGs目標17には、19にも及ぶ達成目標が設けられています。どのような目標があるのか、以下から見ていきましょう。

1.国内の資金調達を強化する

  • “開発途上国の税金や収入を集める能力を向上するため、国際的な支援などから資金調達をすすめる。”

先進国に比べ、資金調達が難しい開発途上国。国の開発をすすめるには資金を必要とするので、国内の資金調達を強化するために国際的な支援を活用していくことが必要です。

2.先進国はODAに関する約束を実行する

  • “国ごとにODAに関する目標を設定したり、決定した約束を実行したりする。”

開発途上国に対するODA(政府開発援助)を国民総所得の0.7%の水準で目標を達成するようにしていきます。とくに、先進国はODAに関する約束は確実に実行することが求められています。

3.開発途上国のための資金を集める

  • “開発途上国のための資金を今まで以上に集め、適切に使用されるようにする。”

複数の財源を駆使して、さまざまな場所から開発途上国のための資金を集めます。持続可能な目標を達成するためには、開発途上国がさらに資金を確保し、役立てる必要があるためです。

4.途上国の借金がやりくりできるように支援する

  • “開発途上国が借りているお金のやりくりについて、減額や取り消し、返済の延長などを認める。”

貧しい国がお金を借りている場合、返済について再検討をすすめていく必要があります。やりくりが厳しい国にとって借金返済は厳しいのが事実。こうした状況をふまえて、国ぐにが「返済が困難な場合」の取り組みを考えることが大切です。

5.開発が遅れている国に投資をするための仕組みを取り入れる

  • “もっとも開発が遅れている国に投資をすすめるための仕組みを取り入れて、実施する。”

開発が遅れている国にとって、他国からの投資は非常に貴重なものです。先進国が中心となり、投資をするための仕組みを確立し、実現する必要があります。

6.国際的な三角協力を強化する

  • “科学技術イノベーション、南北・南南協力、国際的・地域的協力を強化する。”

国際的な三角協力は、開発途上国を支援するだけではなく、先進国同士で技術の革新を促すことにつながります。

また、既存の仕組みを見直して改善するなど、国ぐにが合意のうえで知識を共有することも重要です。

7.途上国に対して環境に配慮した技術の開発や普及をすすめる

  • “開発途上国に対して環境にやさしい技術の開発・移転・普及をすすめる。”

先進国は、開発途上国に対して環境にやさしい技術の開発を促したり、普及を推進したりするサポートをします。なお、その際には、お互いに合意したうえで開発途上国に有利な条件となるようにすすめていかなければなりません。

8.途上国もインターネットなどに触れられるようにする

  • “もっとも開発が遅れている国ぐにが、科学技術や技術バンク、情報通信技術などあらゆる技術に触れられるようにする。”

もっとも開発が遅れている国ぐには、科学技術の普及が進んでいません。先進国が支援しながら、科学技術イノベーションなどの能力を高めるための仕組みを取り入れたり、技術バンクが運用されるようにしたりする必要があります。

また、インターネットにおいても、情報にアクセスできるように積極的に技術が導入できるようにサポートしていきます。

9.途上国が能力を向上できるよう国際的支援を強化する

  • SDGsにかかげられた目標を実施するために、開発途上国などに対する国際的な支援を強化する。”

さまざまな目標が掲げられたSDGs。これを実現するためには、国際的な三角協力を通じ、開発途上国に対して国際的な支援を行っていく必要があります。

10.公平な多角的貿易体制をすすめる

  • “貿易交渉の結果をふくめて、差別のない貿易体制を徹底する。”

ドーハ・ラウンド(WTOに加盟する国の貿易交渉の場)で話し合われた結果もふくめて、ルールに基づいた差別のない「多角的貿易体制」の推進を行います。

11.途上国からの輸出を大きく増やす

  • “もっとも開発が遅れている国ぐにの輸出に占める割合を増やす。”

開発途上国やもっとも開発が遅れている国などからの輸出を増やし、それぞれに利益がもたらされるようにします。そして、世界の輸出に占める割合を上昇させます。

12.開発が遅れている国ぐにが無税・無枠で市場を利用できるようにする

  • “もっとも開発が遅れている国ぐにが、継続して無税・無枠で市場を利用できるようにする対応を、タイミングを見て実施する。”

開発途上国などの国からの輸入に関する決まりをわかりやすくし、市場への参加を推進します。輸入に関するルールなどは簡略化し、分かりやすくすることが前提です。また、世界貿易機関の決定に従う形でなければなりません。

13.世界の経済全体がより安定するようにする

  • “各国が政策の足並みをそろえて、一貫した政策をとる。”

国によって政策に差がありますが、持続可能な開発のために、各国の政策の足並みをそろえる必要があります。また、一貫した政策を整備し、世界の経済の安定を図ります。

14.一貫した政策がとられるように強化する

  • “持続可能な開発の実現に向け、一貫した政策がとられるように強化し、維持する。”

政策は不正があったり、贈賄があったりすることは許されません。すべての人にとって一貫した政策であり、一部の人に有利な政策や、差別を助長するような政策は排除します。

とくに、開発途上国を見てみると、政策には偏りがあるケースが珍しくありません。性別や人種で不利になったり、一部の富裕層のみが得をして、大多数の貧困層には何も恩恵が得られなかったりといった場合もあります。

持続可能な開発のためには、すべての国の一貫した政策が重要であり、それを強化することが求められています。

15.政策をつくったり実施したりする際には各国のリーダーシップを尊重する

  • “貧困をなくすこと、持続可能な開発を実現することを目標に政策をつくり、各国はリーダーシップを尊重する。”

開発途上国を中心に、深刻かつ根強い貧困が蔓延している今、対策のために政策をつくる際や実施するときには、各国の決められる範囲を尊重し、各国のリーダーシップにも目を向けることが重要です。

16.世界的なパートナーシップを強化する

  • “すべての国でSDGsの達成を支援するために、国際的にパートナーシップを強化する。”

開発途上国を中心に、SDGsの達成を支援します。そのために、持続可能な開発のためのパートナーシップを世界で強化していくことが重要。知識や技術を共有しながら、お互いに補い合っていきます。

17.公的、官民、市民社会のパートナーシップをすすめる

  • “さまざまなパートナーシップの経験などをベースに、社会や公的に効果的なパートナーシップをすすめる。”

これまでのパートナーシップの経験をふまえ、「公的」「官民(公的機関と民間企業などの協力)」「市民社会」それぞれのパートナーシップを確立していきます。

18.質が高く、信頼できるデータを誰もが利用できるようにする

  • “もっとも開発が遅れている国ぐにや開発途上国に対して能力を高めるための支援と、質の高いデータを利用できるようにする。”

開発途上国やもっとも開発が遅れている国が、能力を向上できるように各国が支援を強化します。そして、個人の特性で分けられるデータを誰もが必要なときに利用できるような仕組みづくりを推進。

利用するデータは質が高く、信頼できるだけではなく、素早く多く利用できるようにすることが重要です。

19.開発途上国における統計関連の能力向上を支援する

  • 2030年までに、持続可能な開発がどれだけ進んでいるかを図るための仕組みを開発し、支援を行う。”

持続可能な開発に向けて取り組むにあたり、「どれだけ進んでいるか」を判断することは重要です。そのため、GDP以外の測り方を開発するための取り組みを推進し、開発途上国を中心に統計関連の能力向上のための支援を行います。

日本における取り組み事例

ここからは、日本国内における取り組み事例について紹介します。

1.【企業】アースデイ東京

アースデイ東京では、社会的な課題をテーマに活動する人々とコミュニティやパートナーシップを組んで、新しいアクションの誕生を目指しています。

地球の環境問題や、福祉、貧困など、各分野で精通している人々を集め、地球や世界が抱える問題解決の取り組みを促進しています。

出典:アースデイ東京は『SDGs(エスディージーズ)』すべてのゴールに取り組んでいます! | アースデイ東京 ポータルサイト

2. 【企業】会宝産業株式会社

会宝産業が実施するSDGs目標17の取り組みは、環境保全および技術者の育成です。環境問題に目を向けつつ、海外などにも目を向けて「海外自動車リサイクル研修」を実施。

使用済み自動車が増え続けるマレーシアにおいて、日本のリサイクルシステムの整備技術を提供しています。

出典:自動車リサイクルを通じて金沢から海外へ | 会宝産業株式会社

3. 【企業】サムライト株式会社

サムライトは、2025年までに全国の500か所に、憩いの場(脳若ステーション)をつくることを目標にしています。

憩いの場は、健康寿命を延ばすことと人材の育成を目標に、介護予防事業を多種多様な事業者と協働で推進していきます。

出典:脳若とSDGs

小見出し: 4. 【企業】有限会社タケイ電器

国内で家電製品を取り扱うタケイ電器。現在推進しているSDGsの目標17は、多様な組織・企業間でのパートナーシップの強化です。

自社内での目標の取り組みはもちろんのこと、積極的な広報活動を推進して、あらゆる企業とのパートナーシップを実現。連携を強化して、SDGsのゴールを目指しています。

出典:第3回:地方創生へ独自の若者定住プロジェクト「有限会社タケイ電器」 | 中小企業とSDGs | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

世界における取り組み事例

最後の項では、世界における取り組み事例について詳しく紹介していきます。

出典:SDG INDUSTRY MATRIX—産業別SDG手引き—エネルギー・天然資源・化学産業|UNGC

1.ドング・エナジー

ドング・エナジーは、デンマークを中心に展開している電力会社です。公共機関との間で気候関係のパートナーシップを締結。積極的なエネルギー使用量の削減や、省エネルギーに尽力しています。

また、再生可能エネルギーに投資を行い、支援や情報共有も行っています。

2.BP

BPは、イギリスに本社を置く、エネルギー関連事業の会社です。主に石油やガスなどのエネルギーを取り扱っています。

同社は、ケンブリッジ大学が開発した独自のモデリングツールを用いて、2030年までのエネルギーおよび水資源需要のモデリングを行いました。これにより、持続可能な開発を促進するにあたる、「意思決定」の面で支援できるようになりました。  

3.ダウ・ケミカル

世界最大級を誇る化学メーカーであるダウ・ケミカルが行う取り組みは、社会における企業の役割について見直しを図るといったものです。

持続可能な地球・社会に支援を行い、社会的計画の策定を進行。持続可能な開発に対する影響を増大させることを目標にしています。

また、企業と自然それぞれにメリットのあるプロジェクトを発足し、10億ドルを投資しました。化学分野の知識を生かし、画期的で革新的な持続可能な開発の推進を目指しています。

 

SDGs研修・体験型SDGsイベント

SDGs研修】ワールドリーダーズ(企業・労働組合向け)

 

概要

  • SDGs社会に合わせた企業経営の疑似体験ができるSDGsビジネスゲーム
  • 各チームが1つの企業として戦略を立てて交渉し、労働力や資金を使って利益最大化を目指す
  • オプションとして「SDGsマッピング」を行うことで学びの定着・自分ごと化

特徴

  • 自分達の利益を追求しつつも、世界の環境・社会・経済も気にしなければならず、ビジネス視点からSDGsを感じ、考えることができる
  • チームで戦略を練り様々な可能性を話し合う必要があるため、深いチームビルディングに繋がる
  • 様々な選択肢の中から取捨選択して最適解を導く考え方を身につけることができる

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【親子参加型職業体験イベント】キッズタウンビルダーズ(商業施設・企業・労働組合向け)

概要

  • 体験を通じてSDGs目標の「質の高い教育」を学べる親子参加型ワークショップ
  • 子どもが楽しみながらも本気で学べる、複数の職業体験を実施
  • 会議室やホールなど企業様のイベントとしても開催可能

特徴

  • あえて「映える」職業ではなくありふれた職業を選定している
  • 合計で就業人口の7割を占める上位5つの職業をピックアップし、本質的な学びが得られる職業体験
  • ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進

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【親子・子ども向け地域イベント】SDGsアドベンチャー(商業施設・自治体向け)

概要

  • 体験を通じてSDGsを学べる親子・子ども向けワークショップ
  • 子どもが本気で楽しめる複数の体験型アクティビティを実施
  • すべてクリアした方にSDGs缶バッチをプレゼント

特徴

  • ハッピーワールドの世界観を演出することで参加者が没入感をもって取り組める
  • 海の環境やゴミの分別・再利用など、参加者は身近なことからSDGsを学べる
  • ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進

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まとめ

目標17は国際協力の必要性に目を向けた目標です。先進国から途上国に対する支援やサポートはもちろん、国や企業、個人などの積極的なパートナーシップ強化も目標の一つ。各国のGDPの向上が課題とされていることもあり、国際的に協力し合いながらGDPの向上を図ることが求められます。

パートナーシップで目標を達成するために、自社で取り組めることはたくさんあります。まずは、積極的な広報活動や同業種との連携など、できることから始めていきましょう。

 

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