SDGsと関連するインターンシップ事例10選を解説
インターンシップでは、実際に働いている社員から直接話を聞け、業務を体験できることで、就職先の候補である企業の風土や雰囲気、方針を肌で感じることができます。
また、SDGsと関連した環境問題や人権問題、社会貢献などについて関心を持つ学生もいます。そのため、インターンシップは、企業がSDGsに対しどのように取り組んでいるのかといった企業の考え方を知ることができる良い機会だといえるでしょう。
そこで本記事では、インターンシップの現状と企業が実施しているSDGsと関連性のあるインターンシップの事例10選を紹介します。
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インターンシップの現状
株式会社ディスコが行った調査によると、新型コロナウイルス感染症により、企業が実施しているインターンシップは減少傾向にありましたが、オンラインで開催されるようになり再び賑わいを見せています。2023年卒の学生は、約9 割がインターンシップを経験しており、就職活動において、インターンシップは重要な立ち位置にあるといえるでしょう。
また、インターンシップ参加者へのアンケートでは、「事業内容への共感」が、就職の決め手となると回答している学生が多いとの結果が出ています。このような結果を踏まえ、今後ますます多くの企業が、インターンシップに力を入れていくと予想されます。
参考:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ 2023年卒特別調査 インターンシップ特別調査 (PDF)
SDGsとインターンシップ
株式会社ディスコが行った「就活生のSDGs(持続可能な開発目標)認知度」についてのアンケートでは、SDGsを「詳しく知っている」学生は 22.7%、「ある程度知っている」学生は63.9%と、全体の約85%がSDGsを認知しています。また、「企業の SDGs への取り組みと就職志望度の関連」についての調査では、「影響する」「とても影響する(志望度が上がる)」「やや影響する」と回答した学生は約4割に上り、SDGsへの関心の高さが伺えます。
SDGsに興味を持つ学生にとって、現場を体験できるインターンシップは、企業としての考え方だけでなく、社員のSDGsに対する意識を知ることができる貴重な機会となっているようです。
参考:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ 就活生の企業選びと SDGs に関する調査(PDF)
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企業のインターンシップ事例10選
多くの学生がSDGsについて興味を持っていることから、さまざまな企業がインターンシップでSDGsに関連したプログラムを用意しています。ここでは、SDGsに力を入れている企業のインターンシップ事例10選を紹介します。
1. ヤマハ株式会社:【SDGs】循環型社会を目指そう! ~お客様と『ともに・創る』サービスの企画提案~」
ヤマハ株式会社は、持続可能な環境・社会の実現を目指して、自社製品の長期的な利用やリサイクル、リユースに力を入れています。本インターンシップでは、循環型社会を実現するために、ヤマハができる取り組みやサービスの企画の立案、社員向けのプレゼンテーションを課題としました。インターンシップに参加した学生は、現場実習で働く楽しさや大変さを体験しながら、会社としてできるSDGsへの取り組みを学んでいます。
参考:2021年度実習テーマ:【SDGs】循環型社会を目指そう! ~お客様と『ともに・創る』サービスの企画提案~ – インターンシップ – 採用情報 – ヤマハ株式会社 (yamaha.com)
2. 日産化学株式会社:「未来創造×SDGs 2021」
日産化学株式会社では、学生向けのワークショップ型インターンシップ「未来創造×SDGs」を開催しています。2021年度は、3日間にわたる以下のプログラムを実施しました。
- 社会をとらえる
- ジブンと日産化学を知る
- 未来・社会を描く
参加した学生からは、「SDGsを学ぶ良い機会になった」「 仕事体感ではなくSDGsをテーマに設定しているインターンシップは、新鮮で興味を惹かれた」などの声があがっており、非常に好評でした。
参考:参加者の声、プロフィール | 日産化学株式会社 インターンシップ情報サイト (nissanchem.co.jp)
3. ブルードットグリーン株式会社:「大手企業の”環境経営コンサルティング”に参画できるSDGs系コンサルティングインターン!」
ブルードットグリーン株式会社は、「地球の青と緑を未来に繋ぐため、世界の企業の事業構造を変革する」ことをミッションとして、環境経営推進のコンサルティングを行っている企業です。
本インターンシップでは、学生が実際に環境経営コンサルティングに参画し、一部業務を担当します。直接大手企業と関わり、企業の環境経営を深くまで知ることができるため、企業研究や業界研究としても、非常に有意義なインターンシップとなっています。
4. 株式会社Drop「長期インターンシップの可能性を持つインターンシッププログラム開催」
株式会社Dropでは、「サステナブル(持続可能)な未来を考える」をテーマとして、3週間に及ぶ以下のインターンシッププログラムを実施しました。
- SDGsのインプットとアウトプット(1週目)
- SDGs達成に向けた事業提案の企画立案と中間報告(2週目)
- SDGs達成に向けた事業提案の修正・発表準備と最終報告(3週目)
本インターンシップでは、フレームワークなど、実際にコンサルティング業務で活用されている手法を取り入れ、SDGs達成に向けた企画を提案することで、実践的なスキルを身に付けられます。
5. 株式会社エスプール:「社会課題に、ビジネスで挑む。」
株式会社エスプールでは、実際に地方都市で作業経験を行い、現場のリアルな声を基に新規事業を立案するインターンシップを実施しました。本インターンシップは、3泊4日での現場体験の後に、実習を活かして作成した事業企画のプレゼンテーションを行います。
参加者からは、「苦労以上に普段味わえない刺激があり、楽しい時間でした」「机上の空論ではなく実現性、それを体感させられる3日間でした」などの声があがりました。
参考:SDGs インターン情報|株式会社エスプール 新卒採用 (spool.co.jp)
6. 株式会社まいぷれwithYOU「SDGs×まちづくりで地域の活性化を図る」
株式会社まいぷれwithYOUは、地域の商品やサービスなどの情報を通して「地域活性化×ビジネス」に取り組む企業です。本インターンシップでは、6ヶ月にわたる長期間での実習プログラムを組み、以下のステップで進められていきます。
- STEP1:「地域密着」の姿勢を身に着ける
- STEP2:「SDGs地域ポイント制度」を理解する
- STEP3:「SDGs地域ポイント制度」を運用する
地域のさまざまなお店や企業との関わりを経験することで、「地域づくり」や「地域経済の活性化」への取り組みを現場で学べる貴重なインターンです。
参考:SDGs×まちづくりで地域の活性化を図る – PROJECT INDEX (project-index.jp)
7. サステナブルブランド「デミブミ」:「廃棄素材を活用した商品企画を考えるオンラインSDGsインターンシップ」
インドネシアの環境問題の解決に取り組むサステナブルブランド「デミブミ」は、現地の学生と合同で行う、オンライン型インターンシップを実施しました。今回のインターンシップの内容は、「SDGs目標14:海の豊かさを守ろう」に取り組むもので、バナナの葉やココナッツの殻などの廃棄素材を活用した商品開発です。価値観や文化が異なる学生と、同じ目標に向かって取り組むことで、多角的な視点やコミュニケーションスキルが身に付きます。
参考:【環境×インドネシア】廃棄素材を活用した商品企画を考えるオンラインSDGsインターンシップ – ソーシャルスタディ (socialstudy.world)
8. ICS-net株式会社:「食品ロス削減に取り組むインターン!食を通じてSDGsに貢献しよう」
ICS-net株式会社は、「日本の食品流通をReデザインする」ことをテーマに、食品ロス削減に取り組んでいる企業です。インターンシップに参加した学生は、使わなくなった食品原料のWebマッチングサービス「シェアシマ」の企画・運営に関わり、廃棄食料の問題解決に向けた取り組みを行います。
参考:食品ロス削減に取り組むインターン!食を通じてSDGsに貢献しよう|ICS-netの企画インターン・インターンシップ募集情報ならゼロワンインターン (01intern.com)
9. ソシオークホールディングス:「SDGs ~未来を描くインターンシップ~」
ソシオークホールディングスでは、「社会と共生する樹でありたい」という理念を掲げ、「フードサービス事業」や「子育て支援事業」「農業×障がい者就労支援事業」といった社会の課題を解決するためのビジネスを展開しています。本インターンシップの課題は、SDGsの課題でもある「トレードオフ」について学びながら、社会の課題をビジネスの力で解消する方法を考え、プレゼンを行うことです。参加者は、SDGsをテーマにした学習や、実際の事業や仕事を体感することで、社会の課題を解決するために必要なことを学びます。
10. 三和油化工業(株):1day仕事体験「蒸留に関する演習問題」
産業廃棄物の受け入れを行っている三和油化工業では、蒸留についての演習問題を学生に解いてもらうことで、SDGsに繋がる事業への取り組みについて、理解を深められるインターンシップを行っています。参加した学生は、実際の仕事をイメージしながら、以下の2つの課題に取り組みました。
- 産業廃棄物に含まれる化学薬品の物性とは?
- 社内のどこの設備でどのように有効利用できるか?
インターンシップを体験した学生からは、「普段の行動とサステナビリティについて、考えるきっかけになった」「仕事の難しさと面白さを想像しやすい課題だった」などの、前向きな意見が寄せられています。
参考:インターンシップ参加者の声 | 採用情報 | 三和油化工業株式会社 (sanwayuka.co.jp)
参考:三和油化工業(株)【東証スタンダード市場上場】のインターンシップ・仕事体験 | マイナビ2024 (mynavi.jp)
SDGs研修・体験型SDGsイベント
【SDGs研修】ワールドリーダーズ(企業・労働組合向け)
概要
- SDGs社会に合わせた企業経営の疑似体験ができるSDGsビジネスゲーム
- 各チームが1つの企業として戦略を立てて交渉し、労働力や資金を使って利益最大化を目指す
- オプションとして「SDGsマッピング」を行うことで学びの定着・自分ごと化
特徴
- 自分達の利益を追求しつつも、世界の環境・社会・経済も気にしなければならず、ビジネス視点からSDGsを感じ、考えることができる
- チームで戦略を練り様々な可能性を話し合う必要があるため、深いチームビルディングに繋がる
- 様々な選択肢の中から取捨選択して最適解を導く考え方を身につけることができる
【親子参加型職業体験イベント】キッズタウンビルダーズ(商業施設・企業・労働組合向け)
概要
- 体験を通じてSDGs目標の「質の高い教育」を学べる親子参加型ワークショップ
- 子どもが楽しみながらも本気で学べる、複数の職業体験を実施
- 会議室やホールなど企業様のイベントとしても開催可能
特徴
- あえて「映える」職業ではなくありふれた職業を選定している
- 合計で就業人口の7割を占める上位5つの職業をピックアップし、本質的な学びが得られる職業体験
- ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進
【親子・子ども向け地域イベント】SDGsアドベンチャー(商業施設・自治体向け)
概要
- 体験を通じてSDGsを学べる親子・子ども向けワークショップ
- 子どもが本気で楽しめる複数の体験型アクティビティを実施
- すべてクリアした方にSDGs缶バッチをプレゼント
特徴
- ハッピーワールドの世界観を演出することで参加者が没入感をもって取り組める
- 海の環境やゴミの分別・再利用など、参加者は身近なことからSDGsを学べる
- ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進
まとめ
さまざまな企業がSDGsに対する取り組みを行っており、自社の考えを知ってもらうためのインターンシップを開催しています。現場で働く社員と直接話ができ、業務を体験できるインターンシップは、企業がSDGsに対してどのような意識を持ち取り組んでいるかを知ることができる、学生にとって有意義な機会です。
今回紹介したインターンシップ事例以外にも、さまざまな企業や官公庁・省庁、国際機関などがインターンシップを開催しています。SDGsに興味を持ち、しっかりと取り組んでいる企業への就職を希望している学生は、本格的な就職活動を始める前に、インターンシップなどを通して、企業の方針や活動内容を知っておくとよいでしょう。
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この記事を書いた人
SDGsコンパス編集部
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