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SDGs17目標(169のターゲット)をわかりやすく解説。企業や個人の取り組み事例

テレビや雑誌などさまざまなところで目にするようになった「SGDs(エス・ディー・ジーズ)」という言葉。具体的にどのようなものなのか知らない方もいるのではないでしょうか。

SDGsは人と地球環境がより良い形で共存し、繁栄していくための行動の指針となるもので、個人や企業を問わず、全員が知って取り組むべきものといえます。

今回は、SDGsの基本情報や、SDGsを構成している17の目標、SDGsに今取り組むべき理由について解説します。日本政府による取り組みや、個人・企業ができる取り組みについても簡単に触れているため、この記事をきっかけに、SDGsへの理解を深めて取り組んでみましょう。

 

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SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは?

SDGsとは何でしょうか。また、なぜ作られたのでしょうか。まずは基本情報から見ていきましょう。

SDGsは国連で採択された世界共通のゴール

SDGs2015915日の国連サミットで採択された「2030アジェンダ」を実現するために定められた、2030年を期限とする国際的な目標のことで、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略語です。

誰ひとり取り残されることなく、地球上に住む全員が豊かで幸せに暮らし続けるために採択されたものであり、2000年に採択されたミレニアム開発目標(MDGs)を受け継ぐ目標として世界各国が達成するために取り組んでいます。

SDGsのゴールとして掲げられている目標は、合計で17個あり、各目標には具体的に目標を達成するために必要とされる169個のターゲットが設けられています

 

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SDGsにおける17の目標

SDGsを構成する17の目標は、それぞれどのような目標で、なぜ取り組む必要があるのでしょうか?

目標1:貧困をなくそう

世界では、6人に1人(3億5600万人)の子どもたちが、国際貧困ライン(1日1.9米ドル以下)の「極度に貧しい」暮らしをしています。また、先進国においても「相対的な貧困」と呼ばれる問題が存在しています

ここでの「貧困」に関連した問題は、経済的に生活が苦しいということはもちろん、目標4に掲げられた「質の高い教育をみんなに」の内容にも大きく関連しているものです。生活苦などの問題から子供の頃から働かなければならないために、きちんとした教育を受けられていない人たちがいるのです。

そのような人々を守るためにも、あらゆる貧困問題を解決していかなくてはなりません。

参照:子ども6人に1人が 極度の貧困で暮らす ユニセフと世界銀行による分析|Unicef

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SDGs目標1「貧困をなくそう」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標2:飢餓をゼロに

日本ではスーパーやコンビニなどで食料品や飲料を気軽に購入できますが、この生活はどんな世界でも当たり前のことではありません。国や地域によっては、その日の食料や飲料さえままならないところもあるのです。

世界の飢餓人口は2014年からゆるやかに増加しています特に、2021年版の「世界の食料安全保障と栄養の現状」という報告書によると、新型コロナウイルスパンデミックの影響もあり、2020年は2019年と比べて大幅に増加し、11800万人も増えたと報告されています。

地球上の全員が、十分な栄養をとれるようにするためにも、飢餓を終わらせて食料の安全を保障することが世界的に求められています。

参照:336. 報告書「2021年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」:飢餓人口は昨年より1億1800万人増加 | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS

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SDGs目標2「飢餓をゼロに」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標3:すべての人に健康と福祉を

目標3では、あらゆる年齢のすべての人々が健康的な生活を確保できるようにし、福祉も促進することを目標としています。日本ではさまざまなところに病院がありますが、サハラ以南のアフリカ地域だと2人に1人の子どもが、 かぜで肺炎になっても治療を受けられません。

このような問題を解消するために目標3が設けられました。またこの目標3には、妊娠や出産、性に関することに対して医療サービスや教育を十分に得られるようにしたり、交通事故による死傷者を減少させたりといったことも含まれています。

また、「2030までに、全ての人が、性や子供を産むことに関して保険サービスや教育を受け情報を得られるようにする」というターゲットや「2030年までに死亡やけがの件数を半分にまで下げる」というターゲットが設けられています。

参照:3.すべての人に健康と福祉を | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会

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SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標4:質の高い教育をみんなに

目標4は、すべての人々へ公正な質の高い教育を提供して、生涯学習の機会を促進することを目指している内容です。サハラ以南のアフリカ地域や西アジア地域、南アジア地域では、 5人に1人が小学校に通えていないという現実があります。

このほか、目標5にも関連する教育のジェンダー格差や、所属する集団、身体的な特徴、家庭の経済力による教育格差などの問題もこの目標で解決すべきとされるターゲットになっています。解決に向けて、教育を受けられる環境づくりやそのための資金確保などの取り組みが行われています。

参照:4.質の高い教育をみんなに | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会

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SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標5:ジェンダー平等を実現しよう

世界には早すぎる結婚や誘拐婚などが存在しており、ジェンダー平等を目指すためにも解決すべき問題とされています。目標5では、ジェンダー平等の達成とすべての女性及び女児の能力強化を行うことを目標としており、これには妊娠と出産に関して自らで決定できる権利や土地など財産を男性と同じように保有できる権利、女性の権利確保も含まれています。

また、目標4にも関連した問題として、教育における問題もあります。2019年におけるUNESCOのデータでは6歳から11歳の子どものうち、一生学校に通うことができない女の子が男の子の約2倍もいるという結果が出ています。

参照:5.ジェンダー平等を実現しよう | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会

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SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標6:安全な水とトイレを世界中に

2019年に発表されたユニセフとWHOによる共同の監査報告書によると、22億人が安全に管理された飲み水を入手できず、42億人がきちんと管理されているトイレを使えずにいるという結果が出ています。管理されているトイレが存在しない環境や飲み水が安全に管理されていない環境では、排泄物や環境中に含まれている細菌や毒素が体内へ入ってしまう衛生上のリスクがあります。

このことから、すべての人々が安価で安全な水を摂取できるようにすること安全なトイレおよび下水・ゴミ処理などに対して取り組む必要があるのです。そのために、目標6のターゲット内には水を使用する上での効率化に関することも含まれています。

また、このほかにも、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼など、水に関連した生態系の保護、回復に関するターゲットも含まれています。

参照:水と衛生 進歩と格差 22億人、安全に管理された飲み水入手できず 42億人、安全に管理された衛生施設(トイレ)使えず ユニセフとWHO共同監査報告書発表|Unicef

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SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

目標7では、安価かつ信頼できる持続可能な現代的エネルギーへのアクセスを確保することを目標としています。特に、電力に関しては全世界で7億8900万人もの人々が享受できでいません。電気を含めた現代的エネルギーは日々の生活において欠かせないものであるため、安価で安定した持続可能なエネルギーが全世界で求められているのです。

また、石油や石炭に頼らない新たなエネルギー源の確保と使用も求められています。目標7のターゲット内には再生可能エネルギーの使用やエネルギーの効率性向上に関することが含まれています。

参照:7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会

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SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標8:働きがいも経済成長も

目標8は、「すべての人が働きがいを持つ人間らしい仕事をすること」を目標としており、そのためには強制労働や人身売買などを減らす取り組みも求められています。事実、世界の貧しい国々では5歳から17歳までの子どもの4人に1人が労働を強いられているという現実があります。これは目標1や目標4にも関連が強い問題です。

目標8においては、過労死や残業などの問題が残る日本こそ積極的に取り組むべき目標です。厚生労働省は「長時間労働削減推進本部」を設置して長時間労働の削減を目指すための取り組みを始めています。

参照:8.働きがいも経済成長も | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会

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SDGs目標8「働きがいも 経済成長も」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱なインフラ構築や持続可能な産業化の促進、技術革新の推進などを目指す目標9では、「誰も取り残されない持続可能な産業化」が重要となります。そのためにも目標9のターゲットでは、さまざまな産業での科学研究を推進することや発展途上国のイノベーションを支援することなどが含まれています。

産業と技術革新においては、インターネットも大きく関与します。世界では、約37億人の人々が インターネットにアクセスできません。そのことから、安い値段で誰もがインターネットを使えるようにするというターゲットが含まれています。

参照:9.産業と技術革新の基盤を作ろう | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会

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SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標10:人や国の不平等をなくそう

2017年には世界のもっとも豊かな1%の人が世界全体の富の約33%を持っていましたこのような格差に加えて、性別や宗教、人種による不平等も存在します。

これら人同士や国同士における格差や不平等を是正するために目標10が設けられており、不平等を無くすための取り組みには、金融的な取り組みも含まれています。

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SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標11:住み続けられるまちづくりを

目標11は、安全かつ強靱で持続可能な都市や人間の居住空間を実現するための目標です。過去40年にわたって人々が避難や移住をしなければならないような自然災害が数多く発生しています。そのようなことを防ぐと同時に、自然災害に強く住み続けられる都市設計や全ての人が安全な家に住める仕組みが求められています。

目標11のターゲットでは、世界の文化・自然遺産の保護や公共スペースの設置などに関することが含まれています。ただ自然災害に強いだけではなく、誰もが自然環境と共生しながら安全に文化的な生活をできる都市づくりも求められているのです。

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SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標12:つくる責任 つかう責任

目標12は、持続可能な消費と生産を目指す目標です。世界で生産されている食品の約3分の1が捨てられており、ただ物を消費する時代から「物を繰り返し使っていく」時代へと切り替えることが求められています

その上で3Rは大切なものです。3Rはリデュース(Reduce)とリユース(Reuse)、そしてリサイクル(Recycle)の頭文字であるRを組み合わせたものです。物を大切に扱ってゴミを減らし、発生したゴミも資源として再度利用することが必要とされています。

また、「つくる責任」のことも考える必要があります。一例として、岡山ビューホテルの取り組みをご紹介します。

  • 【事例】岡山ビューホテルでは、宴会や朝食バイキングの際に多く生まれてしまうフードロスを最小限にとどめる取り組みをしています。具体的には、朝食バイキングを完全なビュッフェ形式ではなく、メインの料理は注文後に調理し、フードロスにならないご飯・味噌汁・サラダなどだけバイキング形式とする「ハーフビュッフェ形式」を採用しています。これによって、食べ残し以外でのフードロスをほぼゼロにすることに成功しています。

参照:SDGsの取り組み | 【公式】岡山ビューホテル

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SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標13:気候変動に具体的な対策を

目標13には、気温の上昇や異常気象などの気候変動に対して、準備をしっかりと強化するだけではなく、災害に見舞われた際の回復力も備えておくことも含まれています。気候変動は世界的な問題となっており、日本においても過去30年間の熱帯夜の平均日数が1910年から30年間の平均と比べて約2.6倍も増加しています。

このことから、気候変動に対する具体的な対策を国の政策に取り入れたり、自然災害が起きた際に立ち直れる力を備えておいたりすることが求められています。

参照:大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化|気象庁

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SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標14:海の豊かさを守ろう

目標14は、海洋・海洋資源を保全して海の豊かさを守り、生態系の保護と回復を目指すことを目指した内容です。

海の豊かさにおける大きな問題の一つが「海洋プラスチック」問題です。世界の海に存在するプラスチックごみ(海洋プラスチック)は合計で、およそ1億5000万トンともいわれており、さらに毎年新たに流入する海洋プラスチックの年間推定量は少なくとも800万トン(ジェット機5万機分に相当する重さ)といわれています。

また、ペットボトルならば、分解されるまで400年かかるとされており、海の生態系に大きな影響を与えているといわれています。自然から成り立っている水産業などにも被害を与え、大きな経済的損失をもたらすこの問題に、世界が取り組む必要があります

参照:海洋プラスチック問題について |WWFジャパン

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SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の概要と取り組み事例をわかりやすく解説

目標15:陸の豊かさも守ろう

目標15は、海だけではなく陸の豊かさも守ることを目指す内容です。具体的には絶滅危惧種の保護や密猟撲滅といったことで、さまざまな動植物が絶滅の危機にさらされているからこそ取り組む必要があります。

ターゲット内には「砂漠化に対する対応」や「生物の多様性や生態系を守るために、資金をあらゆるところから集めること」なども含まれています。

▼こちらの記事も参照

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の概要と取り組み事例をわかりやすく解説

目標16:平和と公正をすべての人に

ユニセフのデータでは、約7億2000万人の学齢期の子どもたちが、学校における体罰から法律で完全に保護されていない国に住んでいるとされています。

目標16は、すべての人が法で守られ、平和に暮らせるための目標であり、汚職や武器取引、暴力などを減らすなどのことも目指すべきターゲットとして考えられています。

参照:#ENDviolence | Unicef

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SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」の概要と取り組みをわかりやすく解説

目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

ここまで紹介してきた目標を達成するためのパートナーシップを強化することで、すべての目標の達成に近づきます。そのためには発展途上国に対する支援を国際的に行うことや、ルールに基づいた差別のない公平な貿易を目指すことなどが挙げられます。

▼こちらの記事も参照

SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の概要と取り組みをわかりやすく解説

 

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SDGsの目標は「5つのP」に分けられる

紹介したように、SDGs17の目標からなりますが、それらの目標を「人間(People)」「繁栄(Prosperity)」「地球(Planet)」「平和(Peace)」「パートナーシップ(Partnership)」という「5つのP」に分けて考えることで、関係性をイメージしやすくなります

  • 人間(People):目標16

  • 繁栄(Prosperity):目標711

  • 地球(Planet):目標1215

  • 平和(Peace):目標16

  • パートナーシップ(Partnership):目標17

各目標をまとめて象徴する言葉にまとめることで、目標における重要なテーマが把握しやすくなるでしょう。

▼こちらの記事も参照

「5つのP」とは?SDGsを理解するために役立つ考え方を知っておこう

SDGsの前身「MDGs」についても知っておこう

SDGsが採択される前にも、世界の目標として「MDGs(ミレニアム開発目標)」というものが採択されており、2015年を期限に以下のゴールが設けられていました。

  • 極度の貧困と飢餓の撲滅
  • 普遍的初等教育の達成
  • ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
  • 幼児死亡率の削減
  • 妊産婦の健康の改善
  • HIV/エイズ、マラリアその他疾病の蔓延防止
  • 環境の持続可能性の確保
  • 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進

MDGsへの取り組みによって世界の女性議比率が倍増したなど、様々な成果がありましたが、格差の拡大といったカバーしきれていなかった課題もありました。

それを踏まえてSDGsは、①MDGsで達成できなかった課題、②MDGsには含まれていなかった課題、③新たに浮上してきた課題をカバーし、先進国も途上国も取り組むべき普遍的な目標として定められたのです。

▼こちらの記事も参照

MDGsとは?SDGsとの違い、経緯や成果を解説

なぜ今SDGsに取り組むのか?

ここまでSDGの背景や各目標について紹介してきましたが、読者の中には「国の問題なのだから私たちには関係ないのでは?」と思った方もいるかも知れません。

しかし、SDGsの目標を達成するためには、個人も企業もSDGsに取り組む必要があるのです。その理由は何なのでしょうか。

SDGsは国だけの問題ではない

SDGs「誰も置き去りにしない」ことを求めているものです。そのため、個人・企業を含めた全員に関係があり、国や自治体、企業、個人など、様々な立場からの取り組みが達成のためには欠かせません

今後の未来を背負う子どもたちも重要な存在です。日本では、2020年から小学校の「新学習指導要領」にSDGsが含まれるようになりました。中学校は2021年度、高校は2022年度からの「新学習指導要領」にSDGsが含まれており、学校においてもSDGsに関する教育が始まっています

企業もSDGsに取り組むメリット

企業の場合、SDGsに取り組む理由として以下のようなメリットが挙げられます。

他社との差別化につながる

SDGsに取り組むことでSDGsに対して力を入れていない他社との差別化につながります。

新しいビジネスチャンスのきっかけとなる

自社の強みや課題点を洗い出す過程で、新しい事業が生まれる可能性があり、ビジネスチャンスを秘めています。

人材の確保につながる

SDGsに関心のある求職者へのアピールポイントになったり、SDGsに取り組む過程で労働環境が改善されることにより離職者が減ったりする可能性があり、人材確保につながります。

資金調達に有利になる

SDGsに取り組むことで、ESG投資(環境・社会・管理体制の3つを考慮して投資先を選ぶ考え方)における投資先として選ばれやすくなり、資金調達の面で有利になる可能性があります。

顧客や取引先からの信頼獲得

SGDsに取り組むことで、環境や社会などのことを考えている企業として、SDGsに関心を持つ顧客や取引先からの信頼を獲得できるようになります。

 

日本政府による取り組み

SDGsの目標を達成するために、国としてどのような取り組みをしているのでしょうか。主な取り組みを紹介します。

1 SDGs推進本部」の設置

日本政府は20165月に「SDGs推進本部」を設置。年2回のペースで本会合を開催しており、議事概要や議事録などはネットで公開されています。「SDGs推進本部」では、「SDGs 実施指針」の策定や、17目標から特に日本で求められるものを8つまとめた優先事項の提示などを行いました。具体的には以下のとおりです。

  • あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
  • 健康・長寿の達成
  • 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
  • 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
  • SDGs 実施推進の体制と手段
  • 平和と安全・安心社会の実現
  • 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
  • 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全

2 「ジャパンSDGsアワード」の創設

「ジャパンSDGsアワード」とは、SDGs達成に関する優れた取り組みを行っている企業・団体などを表彰するというものです。「ジャパンSDGアワード」を設けることにより、各企業や団体の取り組みを多くの人に広め、SDGsに対するより多くの行動を推進する狙いがあり、毎年、NGONPO、教育機関、 地方自治体などさまざまな機関が表彰されています。

3 SDGs未来都市」の選定

「SDGs未来都市」は優れたSDGsの取り組みを提案する都市を選定するというものであり、国だけではなく各自治体でもSDGsに関する取り組みを進めるように促すための制度です。「SDGs未来都市」は毎年さまざまな都市が選ばれており、2020年までに、全国の93都市が選出されています。

なかでも特に先導的な取り組みは「自治体SDGsモデル事業」として選定され、資金面での支援を受けることができます。

▼こちらの記事も参照

SDGs未来都市とは?基本情報や主な都市を紹介

個人ができるSDGsの取り組み

SDGsの目標を達成するために、個人としてはどのような取り組みができるのでしょうか。以下の取り組み例を参考に、できることから実践してみましょう。

無駄遣いを減らす

水や紙など、さまざまな無駄遣いを減らすことでSDGsにつながります。例えば、水道の蛇口をこまめに閉めたり、廃棄になる食べ物(食品ロス)を減らしたりすることなどが挙げられます。

無駄遣いを減らし、資源の有効活用を心がけることは、目標6や目標12、目標13に当てはまります。誰でも気軽にできることなので、まずはここからSDGsの取り組みを始めてみるのもよいかもしれません。

サステナビリティに配慮した商品を購入する

商品を購入する際に「なんとなく」「安いから」買うのではなく、サステナビリティ(持続可能性)に配慮した商品を優先して買うことも、大切な取り組みとなります。具体的には「サステナブルシーフード(※)」や「フェアトレード商品(※)」などがあります。

  • ※サステナブルシーフード……水産資源や環境などに配慮しているシーフード商品のことであり、MSCラベルかASCラベルが目印です。
  • ※フェアトレード……発展途上国の原料や製品を労働力や原料の価値に対して正当な対価を支払うことを続けることで、途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動です。フェアトレード商品を購入することで、途上国で働く人々を支援することができます。

 

食品ロスを減らす

食べ残しや飲み残しを減らすのはもちろんのこと、食べ切れる分だけ購入したり「フードバンク(※)」や「フードドライブ(※)」に食べきれない食料品を渡したりすることによって食品ロスを減らすことができます。

  • ※フードバンク……食料品をまだ食べられるのに廃棄される予定の食料品を引き取り、福祉施設などに支援する活動のことです。
  • ※フードドライブ……各家庭から使い切れない食料品を集めてフードバンク団体や福祉施設などに寄贈する活動のことを指します。

通勤手段を見直す

通勤手段を、徒歩や自転車に切り替えてみるのもおすすめです。切り替えることで運動不足解消にもつながり、目標3「すべての人に健康と福祉を」への取り組みに貢献できます。

また、通勤手段を見直すことは、住んでいる地域の問題や環境の問題にもよい影響をもたらします。例えば、車を利用しないことで、交通渋滞を緩和できたり、排気ガスを削減したりすることができます。

地元で買い物する

地元産業の雇用を守るために、地元で買い物してみることもSDGsに対する取り組みの一環です。地産地消にもつながるため、スーパーマーケットではなく近くの商店街で野菜や魚などを購入してみましょう。また、地元で買い物することは地域活性化や輸送エネルギーの削減にもつながります

寄付

いらなくなったものはそのまま捨てるのではなく、寄付してみるとよいでしょう。横浜市では、「リユース文庫」という取り組みをしています。家庭で不要になった本を再利用する取り組みで、資源の有効活用とごみの削減を図っています。

また、一般社団法人グリーンタイガーでは、寄付された食料品や日用品などを「子ども食堂(※)」や福祉施設、動物愛護施設などに支援しています。身近にこのような活動がないか調べてみましょう。

  • ※子ども食堂……子どもに対して無料もしくは低価格で食事ができる食堂。日本各地にあり、子どもの孤食を防ぐ対策にもなっている。

マイボトルやマイバッグを利用する

マイボトルやマイバッグを利用することで、プラスチックごみを出さないようにできます。

プラスチックごみの削減は、海洋プラスチック問題のへの取り組みにつながりますプラスチックはすぐに分解されるものではなく、海の生態系に大きな影響を及ぼすといわれているため、日常生活のなかでプラスチックごみを削減することが重要です。

募金(全目標に該当)

募金もSDGsにつながる行動です。SDGsに関する団体に募金することにより、その活動の維持につながります。Unicefの公式サイトでは、募金した金額でどのようなものが購入できるのかを具体的に紹介しています。

ただし、近年では「募金詐欺」という問題も起き始めています。そのため、あらかじめ団体の情報を調べたうえで募金先を決めることが大切です。

SNSを活用する(全目標に該当)

SDGsのことを多くの人に知ってもらうために、SNSでの情報発信や共有も大切です。近年では、TwitterInstagramTikTokなどでSDGsに関するさまざまな情報が発信されています。そのため、それらの情報を共有するだけでも、様々な人にSDGsのことを知ってもらうきっかけになります

例として社会派インフルエンサーであるトムさんは、「1ヶ月プラスチック無し生活」に挑戦した様子を、TikTokTwitterで公開。失敗もあったものの、ユーモアを交えてプラスチック無し生活の難しさを紹介するとともに、プラスチックごみの削減にチャレンジする楽しさを伝えました。

出典:【インタビュー】「1カ月プラスチック無し生活」に挑戦 5日目には間違えて購入も…|ライブドアニュース

ボランティアに参加する(全目標に該当)

SDGs関連のボランティアに参加することで直接SDGsに関われます。ボランティアの種類はさまざまあり、海岸のごみ拾いや上記で紹介した「子ども食堂」の手伝いなどもあります。JICAのように海外で活動するボランティアもあるため、自分が取り組みたい目標やボランティアの内容などから、参加したい団体を探してみましょう

企業ができるSDGsの取り組み

企業の場合は、どのような取り組みができるでしょうか。以下の一例を参考に、できることから取り組みを始めてみましょう。

自転車や徒歩通勤に対する補助制度を設ける

社員が自転車や徒歩通勤に切り替えることで、運動不足の解消や渋滞の緩和、排気ガスの削減などにつなげられます。このことは企業として取り組むことも可能であり、補助制度を設けることで多くの社員が取り組むきっかけになります

  • 【事例】 株式会社Wizでは、徒歩圏内の場合を除く自転車での通勤を条件に、1200円を支給する「自転車通勤手当」を設けています。

出典:福利厚生|株式会社Wiz

多様な働き方を認める

育児や介護のことを考えた多様な働き方を認めることもSDGsにつながります。例えば、育児や介護をする従業員のことを考えた就業制度や、年齢や性別などの偏りがない登用制度の導入などです。

多様な働き方を認めることにより、性別や年齢などを問わずにどんな人でも働きやすい職場となります。

ペーパーレス化に取り組む

ペーパーレス化によって、これまでの書類上で行っていた手続きなどを電子化することで、紙の消費を減らせます。電子化には、書類を管理する場所をつくる必要が無くなったり、紙を購入するコストを削減できるようになったりなどのメリットもあります。

名刺を環境に良い素材のものにする

ビジネスにおいて不可欠な「名刺」の素材を変えてみることで、SDGsの取り組みにつながります。紙で作られることが多い名刺ですが、近年では、紙よりも環境負荷の少ない素材を使用した名刺が登場しています。

その1つが「LIMEX」というものであり、石灰石を主原料としていることから水や木をほとんど使いません。結果として、名刺100枚で約10ℓの水を節約できます。

このような素材を使用した名刺に変えてみることで、気軽にSDGsへ取り組めることはもちろん、相手にも覚えてもらいやすくなるでしょう。

出典:LIMEX(ライメックス)|ACCEA

地域のボランティアに参加する

ごみ拾いといった地域のボランティアに参加して地域に貢献することもSDGsの取り組みです。地域社会と協力することは目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」につながります

地域社会に対してSDGsを広めることにもつなげられるため、地域社会とも連携してSDGsの達成を目指していきましょう。

SDGsに関する活動を支援する(全目標に該当)

企業ができる取り組みとして、売上の一部をSDGs関連の活動に寄付することも挙げられます。実際にさまざまな企業が支援活動をしています。

  • 【事例】株式会社門屋組では、作業現場に設置する自動販売機の売上から一部を寄付して、国内外の貧困問題解決に貢献しています。

出典:持続可能な開発目標(SDGs)への取り組み|株式会社 門屋組

SDGsに関するイベントの実施(全目標に該当)

SDGsに関連したイベントやキャンペーンを開催することで、顧客や消費者に対してSDGsを伝えられます。SDGsを知っている人が増えるほど取り組んでくれる人も多くなるため、さらに目標の達成が近づきやすくなるでしょう。

  • 【事例】テレビ局のTBS系では「SDGsウィーク」という企画を実施。テレビを通じてSDGsの解決を目指すことを呼びかけるというものであり、さまざまな番組でSDGsに関する情報を紹介しました。

参照:地球を笑顔にするWEEK|TBSテレビ

 

SDGs研修・体験型SDGsイベント

SDGs研修】ワールドリーダーズ(企業・労働組合向け)

 

概要

  • SDGs社会に合わせた企業経営の疑似体験ができるSDGsビジネスゲーム
  • 各チームが1つの企業として戦略を立てて交渉し、労働力や資金を使って利益最大化を目指す
  • オプションとして「SDGsマッピング」を行うことで学びの定着・自分ごと化

特徴

  • 自分達の利益を追求しつつも、世界の環境・社会・経済も気にしなければならず、ビジネス視点からSDGsを感じ、考えることができる
  • チームで戦略を練り様々な可能性を話し合う必要があるため、深いチームビルディングに繋がる
  • 様々な選択肢の中から取捨選択して最適解を導く考え方を身につけることができる

サービスの詳細をまとめた資料はこちらから

 

【親子参加型職業体験イベント】キッズタウンビルダーズ(商業施設・企業・労働組合向け)

概要

  • 体験を通じてSDGs目標の「質の高い教育」を学べる親子参加型ワークショップ
  • 子どもが楽しみながらも本気で学べる、複数の職業体験を実施
  • 会議室やホールなど企業様のイベントとしても開催可能

特徴

  • あえて「映える」職業ではなくありふれた職業を選定している
  • 合計で就業人口の7割を占める上位5つの職業をピックアップし、本質的な学びが得られる職業体験
  • ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進

サービスの詳細をまとめた資料はこちらから

 

【親子・子ども向け地域イベント】SDGsアドベンチャー(商業施設・自治体向け)

概要

  • 体験を通じてSDGsを学べる親子・子ども向けワークショップ
  • 子どもが本気で楽しめる複数の体験型アクティビティを実施
  • すべてクリアした方にSDGs缶バッチをプレゼント

特徴

  • ハッピーワールドの世界観を演出することで参加者が没入感をもって取り組める
  • 海の環境やゴミの分別・再利用など、参加者は身近なことからSDGsを学べる
  • ファミリーが高い関心を持つテーマ性のあるイベントで集客・施設周遊を促進

サービスの詳細をまとめた資料はこちらから

 

まとめ

今回は、SDGs17目標(169のターゲット)、5つのPMDGs、政府の取り組み、個人・企業の取り組み方を紹介しました。

SDGsの目標を達成するためには、国(政府)だけでなく、すべての自治体や企業、個人が取り組む必要があります。個人や企業ができる身近な取り組みも多くあるため、まずはできることから取り組んでいきましょう。

 

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